白夜行 -白い闇の中を歩く-(英題WHITE NIGHT)

東野圭吾の人気小説を基にした韓国映画バージョンで、連続殺人事件の犯人を追う行き過ぎたミステリー映画。殺人の動機にも、ストーリーにも、いまいち説得力に欠ける物語です。32点(100点満点)

あらすじ

ある日、密室状態の廃船で質屋の店主が殺害される事件が起きるが、容疑者死亡という形で解決。だが、担当刑事のドンス(ハン・ソッキュ)は、この事件にどこか釈然としないものを感じていた。やがて当時の容疑者の娘で、今はユ・ミホと名乗るイ・ジア(ソン・イェジン)と、被害者の息子ヨハン(コ・ス)の周りで奇妙な事件が起き始める。

シネマトゥデイより


文句

面白そうな雰囲気はあるし、俳優たちもいいし、演出も悪くないけれど、肝心のストーリーがちょっとねえ、という作品です。

えぐい殺人のシーンや、美人女優のセックスシーンがあるので、それなりに刺激はあるけれど、でも肝心のオチがちょっとねえ、という作品です。

まずひとつはあまりにも多くの登場人物を短い時間内に登場させているので誰が誰だがよく分かりません。同時にあまりにも多くの殺人事件が起こりすぎて、ひとつひとつのエピソードが薄まってしまっているのが残念ですね。

犯人は最初から画面に顔を出して登場するので、犯人探しの話というより、犯人の動機探しの物語になっています。なぜ犯人の男は人を殺し続けるのか。犯人の男とヒロインの女はどうつながるのかが物語の鍵なのです。

でもそれをオチに持ってきても、人殺しする奴の動機なんて知りたくないし、知ったところで「あーなるほど、それじゃあ殺すのも無理はないか」とはならないんですよ。

百歩譲って、ヒロインのイ・ジアが性的虐待を受けていたから、おっちゃんおばちゃんを殺したところまでは理解できるとしましょう。でもだからといってそれ以降の殺人を正当化することにはならないし、子供二人に事件以来あそこまで強い絆が生まれるとは考えられませんでした。

それにあれだけの人数を単独で殺すってそう簡単なことじゃないですよ。死体処理の下りをかなりすっ飛ばしてたけど、死体を人目につかずに運び出して、他人の家の庭に埋める作業を一人でササっとやるのなんて不可能だから。

基本的にこういう犯人探しの映画とか、連続殺人の映画って警察が間抜けじゃないと成り立たないような設定になっていますよね。いい加減に捜査をやって、適当に事件を片付けたことで、真犯人が自由の身になるというのがワンパターンになっていて、つまらないです。

フィクションだから、と言われてしまえばそれまでです。でもこんなリアリティーのないフィクションで楽しめる人たちが大勢いるっていうのが僕には不思議でなりません。

そもそも東野圭吾の小説ってなんであんなに売れて次々と映像化されているのが理解できないんですよ。なにが面白いんですか?

僕の知り合いにその昔、まだ売れていなかった頃の東野圭吾と付き合っていた女性がいるんですが、彼女は別れて何年も経つというのにいまだに東野圭吾の話題になる度に顔が青ざめ、気分が悪くなります。

そんでもって友人宅にもし東野圭吾の小説があろうものなら、表紙をわざわざ裏返しにしないと気がすまないんだそうです。名前が目に入ってくるだけでも嫌なんだとか。

その女のほうが頭がおかしい可能性も十分にありえるんですが、一体どんなことをされたら人間がそれほどのトラウマを抱えるのか、僕にとっては小説よりもそっちのほうが謎の深いミステリーです。万が一その女性が復讐を始めたら「白夜行」どころの話じゃすまないでしょう。

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