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映画ドリームはポジティブで泣ける!ネタバレと感想

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この記事は 約5 分で読めます。

NASAの宇宙開発に携わった黒人女性たちを描いた、ほろっと泣ける物語。逆境にも負けない登場人物たちからポジティブなパワーをもらえる作品です。70点(100点満点)

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映画ドリームのあらすじ

数学者のキャサリン・ジョンソンはメリー・ジャクソン、ドロシー・ヴォーンなどと共にNASAの黒人グループの一員として勤務していた。

時は1961年、アメリカでは白人と黒人のトイレが分けられ、バスに乗るのも黒人は後ろの席に座らないといけないような時代だった。

NASA内でも人種差別は顕著だった。肌の色でチャンスを奪われることは日常茶飯事。キャサリン・ジョンソンは勤務中トイレに行くために敷地内を何往復も行き来し、メリー・ジャクソンはエンジニアトレーニングプログラムに参加するためには白人専用の大学に行かないとダメだと断られ、ドロシー・ヴォーンはスーパーバイザーの役目を果たしながら、その肩書きを認めてもらえなかった。

三人はしかしそうした理不尽な規則や法律にも決してめげずに自分たちの夢を追いかけ続けた。3人の夢はすなわちアメリカの夢。それはアメリカで初めて宇宙飛行士を有人宇宙飛行に送り出し、安全に帰還させることだった。

映画ドリームの評価

同名のノンフィクション小説を基にした、宇宙飛行と人種差別をテーマにした感動作で、2017年アカデミー賞のノミネート作品です。

天才的な数学者であるアメリカ人黒人女性たちが、ロシアとの宇宙開発宇競争の真っ只中にいるNASAで大活躍する実話ベースの物語です。

従来の人種差別ドラマと違って、理不尽でひどいエピソードはあるものの、とにかく前向きで嫌悪感よりも希望がみなぎる内容になっています。主要キャストの三人のキャラが逞しく、賢く、そしてとても可愛らしく、見ていたら応援したくなること間違いなしです。

なんでしょうね、この三人の可愛らしさは。写真じゃ伝わらないと思いますが、見たらみんなめっちゃキュートですよ。

特にプログラミングの才能を発揮し、スーパーバイザーに昇格したドロシー・ヴォーン役を演じたオクタヴィア・スペンサーのキャラがいいですね。究極の癒し系で、あんな上司の下で働いてみたいです。

ちなみにオクタヴィア・スペンサーは「ヘルプ 心がつなぐストーリー」でアカデミー賞まで受賞しています。また、メリー・ジャクソン役のジャネール・モネイは歌手としてバリバリ活躍してる実力者です。多才ですねえ。

差別ドラマといえば暴力がつきものですが、この映画では肉体的な暴力描写はほとんどありません。どんなに理不尽な扱いを受けてもキャサリン・ジョンソンを始めとする黒人女性たちは知性で権力に立ち向かっていくのです。その姿が素晴らしく、差別に対する向き合い方がとても格好良かったです。

頭がいい人たちはトラブルに対する対処の仕方も上手いですよね。交渉術に長けているから、自分が不利な立場に立たされても乗り越える術を知っています。ただ不公平だと叫ぶだけでなく、あくまでも実力で既存の規制やルールを変えていくのがすごいです。

メリー・ジャクソンはNASAのエンジニアを目指すために白人の大学でアドバンスコースを受けなければならなくなり、前例がないとして入学を断られ、裁判を起こします。そのとき彼女が裁判官に言った言葉が胸に刺さりました。

「一番最初の人間になるということがどれだけ大切かはご存知だと思います。私はNASAでエンジニアになろうと思っていますが、自分の肌の色は変えることはできません。なので自分が最初の人間になる以外に選択肢はありませんし、それにはあなたのお力なしには実現できません。

アラン・シェパードは初めて宇宙飛行に成功した海軍出身のアメリカ人宇宙飛行士として永遠に記憶に残るでしょう。あなたが今扱っているたくさんの訴訟のうち100年後も残るのはどれでしょうか。どれがあなたを『最初の人間』にする訴訟でしょうか?」

反対意見にギャーギャー反論するのではなく、相手をしっかり立てつつ、そして最後に説得力のある決めセリフで締めくくる最高のスピーチでした。鳥肌立ちました。

一方で事実を基にしている映画にありがちな脚色やオーバーな表現もたくさんありそうです。わざとらしく、いじ悪なキャラを登場させるのはこの手の映画の常套手段ですよね。NASAの活動や難解な数学を解くシーンなんかも一般の人にも分かりやすいように大分工夫がしてあるのが分かります。

ラストではお約束の実在の人物の写真が出てきますが、そのときふと「あれ?」と思うことがありました。主人公のキャサリン・ジョンソンの写真を見て、何か感じなかったでしょうか。

そうなんです。劇中では「黒人」として描かれているキャサリン・ジョンソンは白い肌をしているのです。ストーリーの中で散々「黒人女性として初めて」みたいな描写が続いたせいもあって、これってかなり話が変わってくるんじゃないの?と思ってびっくりしてしまいました。

事の真相はこうです。実はキャサリン・ジョンソンは白人とインディアンと黒人の血が混ざった混血なのだそうです。生い立ちについては本人が動画で語っています。こう見ると白人女性という感じがしますね。


彼女の人種についてはユーチューブのコメント欄などでもかなりディスカッションが行われていて興味深いです。若くして母親を亡くしたキャサリン・ジョンソンは黒人の父親に育てられ、黒人として生きてきたようです。

いずれにしろ本人は別のインタビューで、「NASAでは特に人種差別は感じなかった」とコメントしているのが印象的でした。もしかすると、自分のミッションに没頭していたキャサリン・ジョンソンからしたら肌の色だとか、差別だとかは取るに足らないことだったのかもしれません。

「差別はあったけど、私は感じなかった。みんなミッションを抱えてたし、自分の仕事をやることが大切だったから」という言葉からも周囲の雑音には決して耳を傾けず、ひたすら数字に向き合う彼女の姿が目に浮かびます。天才は次元が違いますねぇ。

>>「ドリーム」はU-NEXTで視聴できます

コメント

  1. 北九州住み より:

    今日劇場で見ました。裁判のシーンは私も好きです。ああいう力強いセリフを言える女性はかっこいいですね。他に個人的に気に入ったシーンは、部長がトイレの表示を壊すシーンです。部下の問題提起をダラダラ先延ばしにせず、即行動に移すのは好感が持てます。肌の色がどうとかくだらない理由で、天才の時間を奪っているのは腹立たしく感じましたが、すっきりしました。文句を言うとすればぱっとしない邦題くらいでしょうか。もっとうまいこと宣伝して、多くの日本人に見てもらいたいです。

    • 映画男 より:

      コメントありがとうございます。これ、もともと「ドリーム 私たちのアポロ計画」というタイトルで、アポロ計画とは無関係だといわれてタイトルが変更になった経緯があったそうですよ。それにしてもドリームってなんだよって感じですね。邦題のタイトルひどいの多いですよね。