2017/03/18

白い帽子の女 (原題BY THE SEA)

BytheSea_Pitt_Jolie

ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー夫妻が共演している、過去の悲劇を引きずる、ぎくしゃくした夫婦を描いた、極めて暗い物語。幸せなカップルが見たら問題ないけれど、不幸なカップルが一緒に見たらこれをきっかけに別れてしまうかもしれません。41点(100点満点)


あらすじ

1970年代、ある日、フランスの田舎町にアメリカ人夫婦ローランドとバネッサがやってくる。ローランドは有名な小説家で、のどかなこの場所で休暇を過ごしながら新作を書こうとしていた。二人は結婚して14年。過去のある出来事がきっかけで妻のバネッサは鬱気味で、ローランドはアル中気味だった。

二人の間にはほとんど会話もなく、ときおり言葉を交わしても口論になるばかり。そんな中、二人の隣の部屋に新婚のカップルが滞在し始める。バネッサは自分の部屋の小さな穴から彼らの様子を覗いていると、いつしか自分たちと新婚カップを重ね合わせ、彼らに異常な執着を持つようになる。

文句

アメリカで酷評された作品です。僕はそこまでひどいとは思いませんでしたが、確かにブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの私的な映画といった印象が強く、彼ら二人の共演ぐらいしか見所がないので、ファンじゃなければきついのかもしれません。

フランスの田舎町が舞台になっていて、ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの二人にフランス語をたくさん喋らせているので、フランス人が見たら笑えるという可能性もあります。

全体のトーンは静かで、物悲しげで、今にも登場人物の誰かが自殺でもしそうな不幸な雰囲気が漂います。それはカップルの不仲のシーンが続くからというだけでなく、町全体も、ホテルもどこか寂しげがあるからでしょうか。

ストーリーを差し置いて僕が一番気になったのは、鬱気味の妻バネッサを演じたアンジェリーナ・ジョリーが役作りを通り越して、とても体調が悪そうだった点です。

今にも折れてしまいそうな細い手足、こけた頬、目の下のクマなどを見ると、映画に出演している場合じゃないんじゃないかと心配になってくるほどでした。

それら全てが役にはまっていると言えばそうなんですが、色々な健康問題が騒がれていることもあってか、なぜか本作では「役作りだから」では済まない深刻さを感じましたね。くれぐれも身体は大事にしてもらいたいですね。心配になって話に集中できなかったです。「どうでもいいけどアンジェリーナ、ちゃんとご飯食べてるのかなあ?」なんて視聴者が考え出したら、作品の良し悪しどころの話じゃなくなってきます。

劇中の夫婦の関係性は、おおよそ妻バネッサが精神不安定で気難しく、夫のローランドがそれに対してフラストレーションを抱えながらも、優しさで包み込むといった感じで、いかにもブラッド・ピットが得意そうな役どころです。ついつい普段の私生活でもアンジェリーナ・ジョリーのわがままにブラッド・ピットがこんな感じで付き合ってるのかなあ、などと想像してしまいます。

これで夫婦が逆の性格だったらもっと面白かったんですけどね。夫がダメ男で、妻が優しくそれを支えるみたいな。アメリカ文化の中にそういうデータがそもそもないのかもしれません。

ローランドが若い女が大好きで病気の妻を部屋に置いて、隣の新婚カップルの女に手を出すとかでもよかったです。それで「ああ、やっぱり女は若いのが一番だわ」とか言って、ゲスぶりを発揮したら少なくともサプライズがありました。

ブラッド・ピットがダメなのは、格好良くて優しい男ばかり演じることです。たまにコミカルな役もやりますが、夫婦とかカップル役になると、いつも真面目なただのいい男になりますよね。あの殻をもっと破っていかないと。

白い帽子の女のネタバレ

隣の部屋の新婚カップルに執着し、やがて覗きをやめられなくなるバネッサは、新婚カップルのセックスを見るのに夢中になります。まるでそれはセックスレスである自分たちの状況の裏返しのようでもあります。そしてあろうことか、バネッサは無意識のうちに隣の部屋を訪れ、男と関係を持とうとするのでした。

バネッサがラブラブの新婚カップルに執着を見せたのは実は過去に自分たちが赤ん坊を二度にも渡って亡くしたことにあります。子供ができない自分たちの状況を恨み、夫に対して、あるいは幸せな人たちに知らず知らずのうちに復讐しようとしたのでしょうか。

いずれにしろなにがあってもローランドはそんな妻を許してあげます。だってブラッド・ピットだから。

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