アンジェイ・ワイダ監督によるポーランド発の第二次世界大戦をテーマにした戦争映画。ノロノロ、ダラダラの戦争の映画で見ているとグッタリしてきます。13点(100点満点)
カティンの森のあらすじ
1939年、ポーランドはドイツ軍とソ連軍両方の支配下に置かれ、ポーランド軍人の多くはソ連の捕虜として収容所に送られた。そんな状況の中、アンナは夫と生き別れ、両親の元で帰りを待つことに。アンナは夫の安否を気遣い、カティン事件の真相や被害者について当局に問い合わせるが、真実は闇の中に葬られようとしていた。
カティンの森の感想
妻が行方の分からない旦那の帰りをひたすら待っているだけのストーリーに面白味がなく、映画館に見に行った人の中にはこの映画が早く終わってくれることをただ待っていた人も多かったかと思います。
見所はラストのみで、そこに行き着くまでの長いこと長いこと。家でDVDで見る人は、ラストシーンから見たほうがいいでしょう。
途中途中で昔の記録映像のようなものが割り込んでくるんですが、それならいっそのことドキュメンタリーにして欲しかったですね。
史実を基にしたフィクションならフィクションで事件と無関係、もしくは事件の当事国でない外国人の視聴者にも感情移入できるような普遍的な要素もないとつらいところがあります。
日本では「映画は最後まで見るのがマナー」とされているからか途中退席する人が少なそうですが、こういうグッタリ映画に当たった場合はじゃんじゃん途中で抜けるべきだと思いますね。
特に戦争映画ともなると、「途中で出て行くなんて不謹慎だな君!!」などと思われることを恐れて最後まで我慢してしまう人が多そうで気の毒です。
しかしどれだけ不謹慎だと思われようと、短い人生のうちの2時間を守るほうがよっぱど大切だということを忘れないでください。日々くだらない映画に膨大な時間を費やしている自分だからこそそう断言できるのです。
なのでつまんないと思った方はそれこそソ連軍に立ち向かう勇気を持って席を立ち上がりましょう。途中退席して恥ずかしいのは席を立ってからドアを開けるまでの数秒間だけで、一端建物の外に出ると、まだ中にいる大勢の人たちがみんなバカに思えて優越感に浸れますよ。
コメント
ソ連がポーランドの国の核心部分を占める将校 (戦時以外普段は医者や教師など)を虐殺しソ連が行ったにもかかわらずナチスの行いと嘘を言い続けた悲劇です。この映画はすでにこの事を興味を持つ人以外は確かに辛い映画でしょう。同じ監督の地下水道なら多分気に入ると思います。
すでにコメントを書いたものですが、この事件はドイツが中立国、連合国(ドイツの捕虜)にも見せてソ連がひどいことしたでしょ。と主張し遺体の日記や服装(季節が判れば)ソ連かドイツか判明する。確かに不謹慎だが犯人はどちらかか?なぜソ連がやったとアメリカ合衆国、イギリスが言えなかったかをサスペンス要素も少し入れれば興味や、見ている方は何故世界はわかったくれないんだ。とやるせない感情を与える見せ方を盛り込んだ方が良かったかもしれない。
はじめまして。ポーランド映画ファン&ワイダ映画ファンからひと言。ポーランドの近現代史の知識が少しはないとこの映画を理解するのは難しいし、面白くないかと思います。ワイダ映画の中でも有名な『灰とダイヤモンド』に顕著なように、ワイダの映画のテーマとして反ソ連・反スターリン主義があります。ワイダの父親がカティンでソ連軍に殺されているので無理もありません。この映画の主人公のように、ワイダも長い間沈黙を強いられていました。ソ連が崩壊し、ポーランドの共産党政権も崩壊してやっとこのテーマを取り上げることができるようになったわけです。ワイダ映画だけでなく、ポーランド映画の多くに、ソ連とその支配下にあるポーランド共産党(労働者統一党)政権下で呻吟する人々が、時には悲劇的に時には喜劇的に、描かれています。国家とは何か、祖国とは何か、イデオロギーとは何か、自由とは何か。このような問いを投げかけてくるポーランド映画に私はとても魅了されます。
背景、文化などを知ってないと理解できない映画は多いですね
どろどろ様に賛同致します。私は高校生の頃ワルシャワ蜂起の本や地下水道の映画を観て、リーダーズダイジェストの第二次大戦秘話にカチンの森について知っていたのでこのカチンの森を映画館で観てパンフレットも買いました。映画男さんの気持ちもわかるのですが、逆にもし映画男さんが上記の本や映画を観ていたら、お勧め映画となったと思います。例えば私は音楽やスポーツには疎いですから人はそれまでの蓄積した知識にとらわれて映画の良し悪しも変わってくると思います。