2016/09/09

リリーのすべて(原題THE DANISH GIRL)

DANISH

世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベとその妻による究極の愛と友情の物語。愛情と優しさに満ち溢れたストーリーとリリーを演じた俳優エディ・レッドメインの演技が素晴らしく、普通にいい話です。69点(100点満点)

あらすじ
1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役を依頼される。その際に、自身の内面にある女性の存在を感じ取る。それ以来リリーという女性として生活していく比率が増していくアイナーは、心と体の不一致に悩むことに。当初はそんな夫の様子に困惑するゲルダだったが、次第に理解を深め……。
シネマトゥディより


文句

この映画が完全なる事実に基づいていると思い込む「事実馬鹿」たちが出てくると怖いのでいちおう釘を刺しておきますが、史実を基にしているのではなく、リリー・エルベの人生をフィクション化した小説「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」を基にしているそうです。

こちらの最新版はタイトルが映画名に変わっていますね。

ちなみに実在したリリーエルベはこんな人だったようです。本当は彼女の自伝「Man into Woman」もあるのですが、なぜそっちを基にこの映画を撮らなかったのかは理解に苦しみます。おそらく現実はもっとドロドロしていて、まとまりがなかったのでしょう。

Lili_Elbe_1926

フィクションのせいかあまりにも登場人物たちが美しすぎます。外見だけじゃなくて、中身が美しくて美しくてしょうがないのです。特にリリーを最後まで支えた妻ゲルダがいい女すぎて、男性はおろか女性まで惚れるんじゃないでしょうか。

だってよく考えてみてくださいよ。ある日、家に帰ったら自分の夫が女装してリビングの椅子に座ってるんですよ。普通の女ならショックで気絶するか、もしくはなんだか分からなくて逆切れするかのどっちかでしょう。それをゲルダは受け入れて、なお結婚生活を普通に続けていくんです。そんな女いますか?

二人の共通の友人ハンスもめちゃくちゃダンディーです。なおかつ独り身でゲルダに密かに思いを寄せつつも慎み深くて、リリーにも理解を示すというこれまた女性はもちろん男性まで惚れてしまいそうないい男でした。

そう考えると、みんなパーフェクトすぎて、もう三人で一緒に暮らせばいいじゃんって言いたくなるほど、幸せすぎる固い絆がそこにあるのです。

実際、既婚者の人があるとき急に目覚めて、性の趣向が変わってしまうことは現実でもあるようです。僕の知っている人の中にもトランスジェンダーはいませんが、男と結婚していた女がレズになったり、またその逆のケースもありました。ただ、ぐっちゃぐっちゃになった末に結婚は破綻しましたけどね。普通に考えて無理でしょうよ。

そういう意味では、この映画のリリーとゲルダの描写はおとぎ話のレベルです。しかしそういった非現実的な設定があったとしても、全体的にとてもバランスの取れていましたね。なにより上品です。主要キャストに育ちの悪いアメリカ人がいないからかもしれません。

品があるせいかヌードシーンがあっても決してエロくならないのが不思議でした。リリーを演じたエディ・レッドメインが鏡の前で全裸になってペニスを両脚で挟んで「女体」を作るシーンがあるのですが、ああいうシーンもちゃんと包み隠さずに見せているのがいいですね。日本ではモザイクがかかるでしょうが。

この作品で俳優のエディ・レッドメインは「アカデミー賞」の主演男優賞にノミネートしています。昨年「博士と彼女のセオリー」で同賞を受賞したばかりだというのに2連連続ノミネートというのもすごいですね。ちょっとエディ・レッドメインはレベルが違いすぎますね。

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