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映画「父の祈りを」が実話?笑わせんなよな感想とネタバレ

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In-the-Name-of-the-Father

実話を基にした、IRAのテロリストに仕立て上げられた家族を描く冤罪刑務所映画。最初から最後まで先が読めてしまう内容が残念で、緊張感もなく、突っ込みどころもかなり多い作品。35点(100点満点)

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父の祈りをのあらすじ

IRAの抗争が激化した北アイルランドとロンドンで“ギルフォード・フォー事件”と呼ばれた衝撃の実話に基づくフィクション。1974年10月5日、ロンドン郊外の町ギルフォードで起きた爆弾テロ事件。

多くの市民を巻き込んだこの事件の犯人として、いわれなき罪に問われた父と息子。獄中での気の遠くなるような歳月の中で、息子は、静かなる闘いに魂を投じる父の姿をはじめて正視する。

シネマトゥディより

読者のTommyさんのリクエストです。ありがとうございます。

父の祈りをの感想

マイ・ブラザー」、「ドリームハウス」でお馴染みのジム・シェリダン監督による刑務所ドラマ。

この映画を「名作」と呼んでいる人の多くは、「実話」という一点に踊らされているはずです。じゃあ、この映画がフィクションでただの作り話でも、あなたは「名作」と呼びますか?といったらほとんどの人が「なんだフィクションかよ」となるはずです。

何度もいいますが、そういう人たちを僕は実話馬鹿と呼んでいます。だって馬鹿だから。映画でもTV番組でもそうですが、やらせかどうか、本当か嘘かなんてさほど関係ないんです。実話馬鹿たちはこのブログにもよくネガティブコメントしてきます。「アメリカン・スナイパー」でもたくさんのコメントをもらいました。

もし実話でゴリ押しするなら、もっとリアリティーを詰めていかないとダメでしょう。主役のジェリー・コンロンはロンドンでヒッピーのような生活をしていた矢先に、爆弾テロの容疑者として逮捕されます。その後、拘留中に警察官から拷問を受け、自白書にサインしてしまったことから、裁判でも有罪が決まり、無期懲役を食らいます。

ここまではいいんですが、その後で父親までテロの支援者だとして逮捕され、有罪を食らい、刑務所に服役します。そこで父親が送られた刑務所が息子がいる同じ刑務所で、それも同じ房という下りがありえないんです。

イギリスでは世間を恐怖に陥れた凶悪テロ犯人の仲間同士を同じ刑務所の同じ房で収監してしまう甘ったるいシステムがあるんでしょうか?

そんな馬鹿な話聞いたことないですよ。そんなことしたら刑務所の中で新たなテロを計画しかねないし、共謀して他の囚人たちをテロリストに育てる可能性だってあります。

まさかイギリスの政府ってビートルズのメンバーを全員逮捕したら同じ房に入れて「オブラディ・オブラダ」でも歌ってもらう気じゃないですよね?

それを考えると、父と息子の刑務所内での絆なんて話はちゃんちゃらおかしいわけで、冤罪で可哀相という流れがむしろ二人だけVIP待遇されているように映ってしまっていましたね。

仮に時代的にそういうことがあったとしましょう。だったら裁判シーンはどうでしょうか? イギリスの裁判って容疑者がまとめて法廷に集められて、一度に判決下されるんですか? お前は悪そうな顔をしてるから15年で、お前は不細工だから無期懲役、お前は生理的に無理だから死刑だ、みたいな感じで。

あれはエンマ大王様方式っていうんですか? てっきり一被告人、一公訴事実について審理するのが原則だとばかり思ってました。

ラストの裁判シーンなんて、弁護士が無実の証拠を見せたら、その場で裁判官がみんなの無実を言い渡して、そのままの足で被告人たちが外に出て行ってたじゃないですか。どんだけユルユルなんだよ、イギリスの司法は。

僕にとってはこの映画は裁判ものの映画という印象は残りませんでした。なぜなら物語の大部分を刑務所のシーンが占めているからです。

刑務所映画の多くは死刑になって終わるか、脱獄して終わるか、無罪が証明されて終わるか、普通に出所して終わるかぐらいしかオチがないので、どうしても先が読めやすくなってしまいます。

それならそうと、見所は刑務所内の衝撃的なエピソードにするしかなくなります。すると大概は喧嘩、暴動、レイプぐらいのネタに終始します。

それしかないんだったら刑務所映画なんてむしろ撮らないほうがいいです。それともこの映画はエンマ大王様が一番の見所だなんていうんじゃないですよね?

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コメント

  1. Tommy より:

    映画男さん、こんにちは。
    リクエストにお応え下さって、有り難うございました。
    私も初めてこの映画を見た時には、涙を流してしまいました。
    実話をもとに・・・が、実話だと信じていたからです(実話馬鹿です)。
    でも、後で色々調べたら、そもそも同じ刑務所ではなかったという事実を知り、色んな事が疑わしく思えてきてしまい、興ざめしました。
    なので、私は映画の話が好きだ!と開き直りの納得をすることに決め込みました。
    映画男さんのおっしゃるように、エンマ方式裁判は今思えば笑えます。
    確かに、そんな裁判あるのか??ですよね〜。
    久々に映画男さんの文句が沢山聞けて、こちらといたしましては楽しませて頂きました。
    辛いリクエストを強いてしまって、申し訳ありませんでしたが、また懲りずに私を含め、映画男さんのファンのリクエストにお応え下さいませませ。
    何卒、宜しくお願い致しますm(。>(ェ)<。)mゴメンネ

    • 映画男 より:

      Tommyさん

      コメント&リクエストありがとうございます。感動するのはそのときの精神状態にも関係してくるので、それもまた真実だと思います。もう一度見たら冷めてしまうのもまた素直な気持ちだろうし。映画なんて特に考えないで見て、感じたことが全てじゃないでしょうか。またリクエストしてくださいね。

  2. 福介 より:

    最近はあれですよね、情報化や透明化が進んで実話系だけじゃなく
    アクションものやサスペンスも高いリアリティが求められてる。
    観客の目も肥えてきてて。
    その一方で壮大でドラマチックな題材・展開じゃないとまた客が来ないんですよね。
    SFとかファンタジーまでその波が来てますもん。
    そら作る側も「お約束」とか「世界観」で言い訳できる
    リメイクやリブートに走るよなと思います。

    • 映画男 より:

      福助さん

      コメントありがとうございます。やっぱり最近は高いリアリティーが求められているんでしょうかね。僕からすると、一部の観客の目は肥えて、ほかの観客の目はどんどんアホになっていっているような印象も受けます。映画なんて面白ければなんでもいいんですけどね。

  3. アオヤンマ より:

    なるほどこりゃあ観たら損だ。