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映画「草原の実験」は稀に見る傑作だった! ベタ褒め感想

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近代的な社会とは無縁な僻地に暮らす少女と父親、そして彼女に一目惚れした二人の男の子の恋の行方を描いた、芸術路線の大人向け人間ドラマ。

エキゾチックな風貌を持つ主人公の少女が、思春期のなんともいえない危険な魅力を放っていて、男ならドキっとすること間違いなしの一本。90点(100点満点)

草原の実験のあらすじ

少女(エレーナ・アン)は、心地よい風が吹き渡る草原にぽつんと立つ家で父親と2人で生活していた。仕事に出て行く父を見送った彼女は、スクラップブックを眺めたり、トラックの荷台を掃除したりしながら時を過ごす。そんな美しい彼女に地元の少年や、風来坊の少年が好意を抱き……。

シネマトゥディより

草原の実験の感想

映像よし、ストーリーよし、演技よし、音楽よし、演出よし。そしてなによりキャスティングが素晴らしい名作です。この映画は、主役の少女役に韓国人とロシア人のハーフであるエレーナ・アンを起用した時点ですでに勝負あった、という感じがしますね。

なんでしょうかね、出身地、年齢、信仰、趣味、好み、性格の全てが不詳といった彼女のあの独特の雰囲気は。あるときはすごく東洋人っぽく、またあるときは白人そのもので、またあるときは他人思いで優しく、またあるときは人を近づかせないような冷たさを見せたり、どうにも掴みどころのないキャラがはまりまくってました。おそらくあのオーラは同じ女優を起用したとしても今後二度と出せないと思います。

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撮影当時、エレーナ・アンは14歳だったそうですが、監督はあえて少女でもなければ、大人でもない微妙な年齢の女優を探してキャスティングしたそうです。

まさにこれから大人になろうとしている少女は、ときおり成人男性をもビクッとさせるような「女」の表情をしたりしますが、おそらく監督もその瞬間を撮りたかったんじゃないかなあと思います。その意味では大成功してますね。

劇中、物語の舞台(カザフスタンがモデルだそうです)や登場人物の背景は一切語られていません。それもそのはずセリフが一切ないからです。

セリフなしの映画は最近でも「メビウス」や「ザ・トライブ」といったよう作品がありましたが、作品の良し悪しがはっきりするタイプの映画ですね。ごまかしが効かないから監督の手腕がもろに出てしまい、視聴者に集中力を保たせるのも難しいはずです。

僕がこの映画を退屈せずに鑑賞できたのは、圧倒的な映像美と、おそらくこの先も一生行くことのないだろう土地の生活に対する好奇心が要因です。

かといってそれだけかといえばそうじゃなく、ストーリーもしっかりしていて可愛くもあり、ロマンチックでもあり、衝撃的でもあり、なにより人間味があって、優しい気持ちにさせられました。

撮影方法もこだわりを感じさせます。クレーンを使って撮影したのか、かなり高い位置からトラックを頭上から撮るシーンもよかったし、父親の頭から朝日を照らすシーンなんかは緻密な計算による演出のような感じがして、唸ってしまいました。

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名シーンもたくさんありますね。少女がお父さんに対して見せる思い遣りの数々のシーンはぐっときました。お父さんの足を洗ってあげて、靴下を履かせてあげる娘なんて今の世の中にいますか? お父さんが壁にもたれかかって居眠りしているところを、頭を起こして枕を置いてあげるなんてことしますか?

酔っ払って帰って来たら靴を脱がしてあげて、寝かしてあげてましたね。ああいったことはたとえ娘がお父さんに対してじゃなくても、大人の女が男にやってもおそらくほとんどの男は惚れてしまうでしょう。あれを自然にこなす女って恐ろしいな。

そうそう、少女をめぐって大草原で殴り合う少年たちのひたむきさもよかったです。まさに二匹の雄が雌と交尾するために、有無を言わずして戦う場面じゃないですか。当然のごとくそれを黙って見てる少女。現代の恋愛では到底見られないような三人の純粋さがいいですね。

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一番の名シーンはやっぱり金髪の少年が少女の写真を撮って、後日暗闇の中で壁にスライド写真を映写するシーンです。おそらく少女はあれでコロッといってしまったのでしょう。そうとしか考えられません。

電気も水道もないような土地で「写真」というハイテク技術を使って、ロマンを演出するという一見キザで卑怯な方法ではありますが、ああいうのが女は好きなんだろうなあ。

もしかするとあれは現代でも通じる方法かもしれません。僕の家にもプロジェクターがあるので、今度ド田舎にでも行って試してみようかなぁ。

「見てみて、ほらあそこの壁に君の顔が写ってるよ」

「ちょっと、恥ずかしいからマジやめてくれなーい。うざいんですけど」

おそらく現実はこんなもんでしょう。ただ、男なら一度はやってみるだけの価値はありそうです。

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コメント

  1. tobo より:

    久々にブログのぞいたら、私も気になってた映画が評価よかったので、記事読まずに、今、観てきました。
    台詞がない映画初めてだったけど、音楽いいし、圧倒的な景観美、アングル、虫の飛ぶ音、風の音とか良かったですね~。私もお父さんみたいに夕日を食べてみたいなぁ。それにあの木!自然か?美術さんか?女の子の部屋もきれいだったし。監督さんも実験的な映画作るのって楽しいでしょうね。
    そっかぁ、私は毛糸の靴下履かせなきゃねっ!!^^;

    • 映画男 より:

      toboさん

      コメントありがとうございます。気に入っていただけて、紹介したかいがありました。ぜひ毛糸の靴下誰かに履かせてあげてください。

  2. 森 悦 孝 より:

    いつも行ってるレンタル屋さんの、新作コーナーで発見、すぐに借りて来て観ました。画面に引き込まれました。だって映像は綺麗、風景はまず日本では見ることが出来ない風景だし、主演の少女は透明感がすごかったし、太陽や樹木、虫までも助演俳優賞にノミネートされるはずですよね。無声映画なんてチャプンの「街の灯り」以来です。勿論こちらの映画の方は字幕はなしで全くの無声映画。でも本当に素敵な映画でした。映画男さん今回もありがとうございました。

  3. 加藤 より:

    ビートたけしの名言 ‏@takeshimeigen
    映像で殆んど分かればいいんで、どうも映画がトーキーになって、台詞が入るって事で、喜んで台詞を入れているような気がしちゃって…。もともと映画に台詞は要らないと思っている

    そんな北野武のソナチネが大好きで、彼は演技(というより科白)を過信していない感覚があって好きなんです。絵画のような失語的な雰囲気に満ちていくと思ってしまう。

    で、「草原の実験」なんですが、すべてが名シーンでした。言葉を失う、という以前に言葉はなくて【草原】というドラマと【実験】というドラマが黙って出会ってしまうしかないということの恐ろしさ。美しいものには言葉など要らないというか恐ろしいものには言葉など要らないという、お伽であり黙示録であり【始まりは終わりで、終わりは始まり】のなかに、美しく神秘な少女と父親と恋めぐる気持ちが静謐ななかに丁寧に紡いでいく果てに衝撃の意味が襲う。

    90点台は片っ端から観るようにしてますよ。恋人たちも観ました。正直、このサイトしか映画評楽しくないですね。褒め殺しとでも何とでも取って下さい(爆)。でなきゃ何年も気にしないし、わざわざコメントなんてしません。ここでの評論のキモはこの独断偏見性こそが革新と呼びたくなるくらいにイケてるということ。また、それは段々に理由やら分析を供述したいと思います(笑)。とにかく、僕の好きな映画も知らない映画も予測値のつかない文句、しかも内容に敬服します。これから、時間あればコメントするしリクエストしますが、気分ムラがあるので御容赦を。何せ3年(4年かな?)越しのサイトファンですからね。いつも、素晴らしい映画評と案内をありがとうございます。

    • 映画男 より:

      加藤さん

      コメントありがとうございます。ソナチネ僕も好きなんですよ。いいですよねえ。「草原の実験」は僕にとっても本当に文句なしの名作でした。もっとたくさんの人に見てもらいたい作品です。

      今後とも応援よろしくお願いします。

  4. 井村 より:

    これは、そこそこ面白かったです
    まずまずの映画を紹介有難うございます

  5. shutube11 より:

    映画男さんのオススメなので、なんの予備知識もなしで観ました。美しい映像は圧巻ですが、やや退屈でした。

    でも、ラストのあのシーンで全てがわかりました。
    ・・なるほど。

    映画男さんの推薦状がなければ、僕ならぜったい途中でやめてました。
    ありがとうございます。

    • 映画男 より:

      僕は映像とあのヒロインの女の子に魅せられてしまいましたが、人によっては退屈と感じる人がいても理解できます。