
最初から最後まで「なんでお前がそこにいるの?」という疑問がぬぐえない、ヒロインの役割がはっきりしない話で結局アン・ハサウェイを推したいだけの映画です。6点
プラダを着た悪魔2のあらすじ
ランウェイ誌のアシスタントを辞めてから20年後、アンドレア・“アンディ”・サックスはニューヨークで高く評価される記者となっていた。しかし、ある授賞式の最中、彼女の所属する報道チーム全員が突然で解雇されてしまう。
一方その頃、かつてアンディの上司だったランウェイ誌編集長ミランダ・プリーストリーは、搾取工場(スウェットショップ)を利用するブランドを持ち上げる記事を十分に精査しなかったとして批判を浴びていた。雑誌の信頼性を立て直すため、ランウェイ親会社エリアス=クラークのオーナーでありミランダの上司でもあるアーヴ・ラヴィッツは、ミランダに無断でアンディを特集編集者として採用する。
以前とは違い、ミランダは現代のファッションメディアにうまく適応できずにいた。横暴な性格はまだ残っているものの、人事部への苦情が相次いだことで以前ほど圧倒的な権力を振るえなくなっている。右腕のナイジェルは、もはや誰もランウェイ誌の紙媒体を読まなくなり、利益や広告主との関係維持のために、安っぽい短尺コンテンツやクリック狙いの記事に頼らざるを得なくなっていると説明した。
スポンサーの一つがディオールで、そこにはアンディの元同僚エミリーが勤務していた。エミリーはランウェイ誌の不祥事を利用し、自分の特集記事を確保。それをミランダはアンディに担当させる。しかし取材の中で、現代ファッション業界は価格を吊り上げ、中流階級を排除しているとして、エミリーとアンディは激しく対立するのだった。
オーナーのアーヴはミランダをエリアス=クラーク全体のグローバル・コンテンツ責任者に昇進させると約束したものの正式発表前に、彼は75歳の誕生日に心臓発作で急死。
跡を継いだ息子ジェイは、父ほどファッションやランウェイ誌に思い入れがなく、ミランダの昇進を保留したうえで、コスト削減のため経営コンサルタントを導入する。これによって社内の体制は大きく変化し、ミランダは立場を追われていくのだった。
プラダを着た悪魔2のキャスト

- メリル・ストリープ
- アン・ハサウェイ
- エミリー・ブラント
- スタンリー・トゥッチ
- ジャスティン・セロー
- ケネス・ブラナー
プラダを着た悪魔2の感想と評価

デヴィッド・フランケル監督による「プラダを着た悪魔」の続編。前作のヒロインの成長ドラマとは打って変わって、企業内での権力争いを描いただけの退屈極まりない駄作です。
前作は見たけど、全く記憶に残っていなかったし、キャラクターにも思い入れが微塵もなかったので本作を見てもなかなか話についていけませんでした。意地悪な上司、それに振り回される部下という設定は保持されつつ、そこにファッション雑誌業界の衰退、カリスマ性を失いつつある編集長、出世して権力を手にした元アシスタント、すっかりやり手の編集者になったヒロインという変化を追加しています。
最大の問題点はテーマが一つではなく、次のように複数混在していることでしょう。
- メディア業界論
- AI
- テック企業
- 紙媒体の衰退
- インフルエンサー文化
- 中年以降のキャリア論
その結果、見ていてもなんの話なのかピンと来ないんですよね。前作はヒロインが新しい世界(会社)に入って、そこの文化に圧倒されながらも、なんとか仕事をこなし、問題を解決して成長していく姿が女性たちを中心に受けたと思うんですよ。
その一方で本作は、時代に取り残された中年のおばちゃんおじちゃんたちが、時代の流れに逆らいながらもなんとか権力に、過去の栄光に、昔の価値観にしがみつこうとしているだけで、彼らの対抗馬として登場するキャラたちも決して若者とはいえない、まあまあのおっさんおばさんたちっていう時代の変化を問うテーマにしている割には、対比の作り方がダメでしたね。どうせなら20代前半のバリバリ頭の切れる革命児みたいなキャラを出さないと。
一番しっくりこなかったのは、ヒロインが終始ランウェイ誌の伝統、文化を守ろう守ろうとしようとする姿勢と、対立が起きてもなぜか自分に対して散々冷たい態度を取ってきたミランダ側に付く点です。
ミランダがランウェイ誌に執着するのは分かる。でもヒロインにその理由ある? 最近会社に戻って来たばかりの奴に会社愛アピールされても困るし、お前そもそも嫌いで辞めたんじゃなかったの?いつからお前にとって、ランウェイ誌は神聖なものみたいになったんだよ。
20年の間があるとはいえエミリーの変貌ぶりにもついていけないし、ナイジェルが会社に居座ってるのも疑問だし、ミランダも含め、それぞれのキャラが設定によって見事に魅力を失った感じがしますね。まあもともと魅力なんてそんなになかったんだけど。
全体的に社内文化、体勢が変わろうというところで中心人物たちがわちゃわちゃやるだけで、ただの編集者であるヒロインがその争いの中にいるだけでもちゃんちゃらおかしいんだよね。あいつになんの権限もないわけだし。なんで一社員がオーナー、投資家、広告主、編集長といった面子の中にまぎれて、キーパーソンみたいな役割果たしてんだよって。業界の運命を左右する重要人物みたいになってんじゃん。そしてその答えは、「だってアン・ハサウェイだから」の一言で片づけられるでしょう。
つまりアン・ハサウェイを話の中心に置くための無理やりな設定とストーリーのもとに成り立っている、あるいは成り立ってすらいない映画なのです。そして散々もめた挙句最後はみんな丸く収まるみたいな終わり方もずるいし、前作を絶賛していた人たちもさすがに今回は無理じゃない?


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