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雅出演映画、不屈の男アンブロークンのあらすじとネタバレと感想

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miyavi

アンジェリーナ・ジョリー監督による戦争映画。世界的に有名な日本人ギターリスト雅(MIYAVI)が重要な役で出演している作品であると同時にハリウッド映画初出演の彼が圧倒的な存在感で他の役者たちを完全に食ってしまった一本。67点(100点満点)

あらすじ

1943年4月、空軍の隊員だったルイことルイス・ザンペリーニはB24に乗り、日本軍の支配下にあったナウル共和国を攻撃する任務を与えられていた。日本軍と空中戦の末、銃撃を受けたものの操縦士のフィルのおかげでなんとかB24は無事に生還した。

イタリア移民の家庭に育ったルイは少年時代、外国人であることからいじめに遭い、アメリカ社会にも馴染めずにいた。そんな彼を救ったのは陸上競技だった。やがてルイはベルリン五輪に出場するほどの選手に成長。軍隊に入ってからも走ることは決して辞めなかった。

ある日、ルイはフィル、マック、他数名の隊員たちと共にオンボロの飛行機で救出作戦に借り出される。しかし飛行中にエンジンが故障し、あえなく海に墜落。なんとか生き延びたルイ、フィル、マックの三人はボートの上で何十日間も漂流。33日目にはマックが死亡。47日目にしてルイとフィルは日本軍に発見され、捕虜となる。そこにはバードの呼び名で知られる鬼軍曹ワタナベ(MIYAVI)がいた。その日から収容所や強制労働施設でのルイの壮絶なる日々が始まる。

文句

あまり期待せずに見たら、結構楽しめました。どうせ滅茶苦茶な戦争映画になるんだろうなと思っていましたが、アンジェリーナ・ジョリー監督は一つ大切な点を守ってくれていました。

それは日本語のセリフをちゃんとネイティブの日本人俳優に話させているところです。この手の映画はいつも中国人とかアジア系俳優が片言の日本語を話すけれど、その部分は気をつけていましたね。ただエキストラにはさすがにアジア系アメリカ人っぽい人が結構いました。まあそれぐらいは許容範囲でしょう。

さて、この映画もまたよくある「事実に基づいた」話です。いや、冒頭にはいきなり「a true story 真実の物語」といったさらに上を行く傲慢なテロップが流れて幕を開けます。事実とかお前の主観で勝手に決めるなよ、と思ってはかなり抵抗を感じるところですが、まあハリウッドのお馴染みのマーケティングなので言わせておきましょう。

さてそんな事実の物語の舞台となるのが日本の東京だったり、新潟?かどこかの雪国だったりします。しかしその景色はもはや全く日本のものではなく、海外&セット感丸出しでした。調べてみると、撮影はオーストラリアがメインで行われたそうです。

この手の映画は日本軍を悪者として描いているなどと、日本からも色々と批判が出そうなものです。勘違いしている人が多いようなので言っておくと、この映画の中に日本軍人が人肉を食べるシーンなどありません。人肉を食べるシーンがあるかないかで上映禁止にしろとか言ってる人がいるみたいなので。なんでも原作にはそういうシーンがあったらしいです。

ただ、原作と映画は別物なので。そもそも映画のノンフィクションや「事実に基づいた話」なんていうフレーズは、怖い話をする人が「これは本当にあった話なんだけどね」という前置きぐらいのものだと思ったほうがいいですね。確かにたまにムカッときますけどね。

僕の採点では67点中60点が雅(MIYAVI)によるものです。それぐらい彼の存在感と魅力には驚きました。あのいかにも女性受けしそうな中性的な顔。180cmを超えるすらっとした身体。分かりやすい英語。初出演にもかかわらず堂々とした演技。爬虫類のような目つき。完全に主役の座を奪っていました。

おそらくこの映画をきっかけに雅(MIYAVI)にはハリウッドからオファーが次々と舞い込んで来るのではないでしょうか。ギターが天才的に上手くて、男前で、演技もできて、さらに昔はサッカー選手を目指していたほどの運動神経の持ち主だそうです。どんなだけ多才なんだって感じですね。素直に格好いいなと思える男でした。

一方、主役のルイス・ザンペリーニは終戦後、アメリカに帰国して家族と再会し、結婚をして子供も生んだそうです。帰国後はキリスト教に回心したことで捕虜のときに日本軍から受けた迫害を許せるようになったという話です。

戦後再び日本に渡り、捕虜施設にいた日本人軍人たちと再会したそうですが、唯一会ってくれなかったのがワタナベだったそうです。ちなみに彼は長野冬季五輪で聖火ランナーとして走り、再び五輪に参加する、という夢を叶えています。

ルイス・ザンペリーニの器の大きさなのか、時間が解決してくれるのか、なかなか収容所生活をしていた国に戻って自分を拷問にかけた人たちと会いに行く、なんてことはできませんよね。ルイス・ザンペリーニもまた過酷な状況を生き延びたサバイバーの一人ですね。ちなみに彼は昨年亡くなったそうです。

上映時間は2時間を越え、空中戦、漂流、収容施設とおおよそエピソードが3つに分かれています。MIYAVIが画面に出てくるまでにはそれこそ1時間以上かかります。映画なんて興味ない。MIYAVIが見たいだけ、という人は途中から見てもいいかもしれません。

ワタナベこと渡辺睦裕さんのインタビュー

ルイス・ザンペリーニさん

コメント

  1. F U J I より:

    この映画、アンブロークン は、反日映画ではありません。他の日米戦映画では日本軍を「jap」と呼び捨てるのが普通です。あの日米合作映画で、対等な立場から描いてあると言われる「トラ!トラ!トラ!」でも、ハワイに帰投するB17爆撃機のクルーが日本軍に遭遇した際、「jap」と叫びます。もしアンジーが日本にリスペクトしていなかったら、最初のB24爆撃機がゼロに遭遇したとき、クルーは「jap」と叫んでいたに違いありません。japは日本人にとって気持ちいい表現ではありません。そのあたりの配慮がなされた映画であったことは覚えていた方が良さそうです。