
暇なときに見るにはもってこいのエンタメスリラー。単純明快で頭を使わなくていいので省エネモードで楽しめる映画です。55点
ユマカウンティの行き止まりのあらすじ
1970年代、アリゾナ州ユマ郡の人里離れた砂漠地帯。ナイフのセールスマンの男がガソリンスタンドに立ち寄る。スタンド兼モーテルの管理人であるバーノンは、ガソリンはすでに売り切れており、次の給油所までは100マイル(約160km)以上離れているが、まもなく燃料補給トラックが到着する予定だと説明する。
セールスマンはラジオで、その朝早くにバックアイで銀行強盗が発生し、犯人たちが約70万ドルを奪って、後部が損傷した緑色のフォード・ピントで逃走したというニュースを耳にする。
その後、近くのダイナーのウェイトレスであるシャーロットが、夫で地元保安官のチャーリーに送られて出勤し、店を開ける。シャーロットはセールスマンを歓迎し、会話の中でセールスマンは、娘サラの誕生日を祝うためカリフォルニア州カールスバッドへ向かっていると話す。
しばらくして、銀行強盗犯のトラヴィスとボーが、横転した燃料補給トラックの残骸の横を通り過ぎ、緑色のピントに乗って現れる。販売員はその車がラジオで報じられた逃走車と一致していることに気付く。
セールスマンはシャーロットに疑念を伝え、彼女は夫のいる保安官事務所へ電話をかけようとする。しかしボーがそれを阻止し、シャーロットが一言も話せないうちに電話線を切断してしまう。
強盗たちは銃を突き付け、シャーロットとセールスマンに「何事もないように振る舞え」と命じる。燃料補給トラックが到着するか、十分な燃料を積んだ車が立ち寄るまでの間、彼らは人質として拘束されることになる。
しかしダイナーの誰も知らないことに、その補給トラックは数マイル先で道路から転落して横転しており、決して到着することはなかった。
ユマカウンティの行き止まりのキャスト

- ジム・カミングス
- ジョスリン・ドナヒュー
- シエラ・マコーミック
- ニコラス・ローガン
- マイケル・アボット・Jr.
- コナー・パオロ
- アレックス・エッソー
- リチャード・ブレイク
ユマカウンティの行き止まりの感想と評価

フランシス・ガルッピ監督による、レストランで監禁された客と銀行強盗たちによるシチュエーションスリラー。リアリティーはないけど、ストーリーや会話がシンプルで回りくどさもなく、登場人物たちも個性的で、そこそこ楽しめるエンタメ作品です。
ド田舎のガソリンスタンドにガソリンを入れに来たものの、ガソリンスタンドのガソリンが切れて燃料補給トラックが到着するまで、ガソリンを入れられないと知った人々がしぶしぶレストランで時間を潰すことになり、そこで二人組の銀行強盗と遭遇し、拉致されてしまう、というお話です。
銀行強盗たちは、ガソリンさえ手に入れて早く逃亡したい。でも客はみんなガソリン切れで、どうしようもないから、仕方なく燃料補給トラックを待つしかない。しかし肝心な燃料補給トラックは、実は砂漠の山道で横転していて来るはずもなかった、という救いようのない状況になっています。
出たくても出られない、という意味ではある種の密室スリラーのような設定になっていて、そこで繰り広げられる心理戦、会話、恐怖を楽しむ映画で中盤まではどうやって銀行強盗から逃れられるかが焦点となっています。
ところが1時間を超えたあたりでドンパチが始まると、ありえない方向に話が脱線していきます。そこからはただのドタバタ劇となり、登場人物の行動の意図や話の辻褄もなにもかも崩れていきます。
あそこからの展開はあまり好きじゃないですね。なんでそうなるの?の連続で、ある登場人物が全てにおいて間違った選択をするんですよ。それも一番まともそうだった奴が。
終盤はほぼコメディーでしたね。でもこのアホはどうする気なんだろうというのが気になって最後まで見れました。一度誰かが引き金を引いたら皆殺しになるみたいな展開はタランティーノの影響を受けているのかなあとも感じます。皮肉が効いたブラックユーモアはコーエン兄弟っぽさもあります。おそらく「レザボア・ドッグス」や「ファーゴ」を意識してるんじゃないでしょうか。
俳優陣たちはなかなか味わい深く、特に銀行強盗役のリチャード・ブレイクは迫力のあるサイコパスオーラを放っていました。相棒の頭の悪そうな男を演じたニコラス・ローガンもこういう奴いそうだなあって思わせるだけのパフォーマンスをしていて素晴らしかったです。やっぱり悪役重要だよね。
ラストはしょうもないんだけど、不思議とみんなが不幸になって終わっていくエンディングにはブラックな爽快感がありましたね。悲劇なんだけど笑っちゃうみたいな。どちらかというとおバカ映画といえる類なんだけど、難しいことはなにも考えずに楽しめる映画は貴重です。


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