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アテナは現実味のないフランスパニック映画!ネタバレ感想

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アクション映画やゲームをやる感覚で見るならまあまあいいかな、というフランス映画。名作とか呼ぶには程遠いシチュエーションものです。49点

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アテナのあらすじ

フランス都市部の郊外の貧困住宅地区アテナに住む移民の兄弟の末っ子イディールがある日、何者かに殺害される。犯人は警察官ではないかと考えられていた。

これを受け、イディールの兄カリム率いる移民のギャングたちが警察署の前で抗議活動をする。ところがカリムたちは抗議だけに収まらず、そのまま警察署を襲撃し、武器を奪って逃走する。これを機に至るところで暴動が起き、警察はアテナを包囲することに。

カリムの兄で軍人のアブデルは弟の死に悲しみつつも武力行使には反対だった。なんとかカリムを説得して暴動をやめさせようとするが若者たちの怒りは収まりそうにもなかった。やがて警察が突入してくると、アテナは戦場と化すのだった。

アテナのキャスト

  • ダリ・ベンサーラ
  • サミ・スリマン
  • オウアシニ・エンバレク
  • アレクシ・マナンティ

アテナの感想と評価

ロマン・ギャヴラス監督による、フランスの移民のギャングたちと警察による衝突を描いた社会派アクション犯罪ドラマ。背景にフランスの移民問題、宗教人種差別、貧富の格差などの社会問題を暗示しつつも実際はただのパニック映画で、暴動の最中のカオスな状況を売りにしているだけです。

流れるようなカメラワークのおかげで迫力は十分だし、臨場感もあります。脚本家として「レ・ミゼラブル」のラジ・リ監督が参加しているだけあって、作風がかなり似ていますね。エンタメとしては見れるレベルの映画ではあります。

ただ、ストーリー性とリアリティーはそれほどないですね。普段から差別を受け、社会全体から虐げられている貧しい移民たちのうっ憤が一人の少年の死を通じて爆発する、というプロットはいいんだけど、それ以上、ちっとも話が膨らんでいきません。

フランスの警察を舐めてるのかなあっていう場面がちらほらあって警察署を襲撃するような犯罪組織にフランス警察は催涙スプレーとゴム弾なんていう甘っちょろい対応はしませんよ。

相手は警察の武器を盗んだぐらいの凶悪犯なんだから警察はもちろん重装備で反撃に出ないとおかしいし、国家の警察組織を脅かそうとしている時点である意味テロリストと同等なのに、まるでデモ隊相手に沈静化を図る警察のような描き方がされているところに違和感を覚えました。

若者を中心としたギャングたちもなにがしたいのかいまひとつ定かではなく、復讐が目的で警察を殺したいんだったら最初から盗んだ武器をぶっ放せばいいじゃないですか。それなのにずっとロケット花火とかで攻撃してるんですよ。警察署を襲うぐらい気合の入っている奴らがいざとなったら花火使うって。大胆なのか、控えめなのかよく分からないもん。なんか中途半端でしたね。

若者ギャングのリーダー、カリムを演じたサミ・スリマンのキャラ作りもいまいちで、それほどリーダーらしいカリスマ性やリーダーシップを感じませんでした。ほかの兄ちゃんたちまでびびるほどの迫力や怖さはなかったですよね。それなのにみんな彼のいうことを聞いてたし、従わずにいられないのはなぜだったのでしょうか。

ラストもカタストロフィーを起こすためにとりあえず爆発させちゃえ的な投げやりなエンディングだったように思えます。兄弟もそれほど意思の疎通が取れてなかったし、仲が良かったわけじゃないのにいざ誰かが死ぬと誰もがもれなく警察に対して復讐心を燃やすっていうのも意味不明ですよね。さっきまで兄弟同士で殺すぞとか言い合ってたのはなんだったんだよって。

正直このストーリーからは社会問題の根深さを感じるほどには至らなかったです。こういうのを見て「今、フランスで起きていることがやばすぎる」とか言っちゃうと危険です。あくまでもフィクションだからね。

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