グロ度を適度に抑えてある、そこそこ楽しめるホラー映画。ストーリー的には特別新鮮さはありませんが、全体的によくまとまっています。55点
フレッシュのあらすじ
ノアは恋愛運になかなか恵まれない自分を不思議に思っていた。独りでいる時間があまりにも長すぎてシングルでいることに慣れてしまっていた。
その一方で恋愛に対する憧れ、理想の男性と出会う希望だけは密かに持っていた。そんなノアは出会い系アプリでデートに行くも上手くいかず、不快な気分にされて帰ってきてしまう。
もう独り身でいいやと思った矢先、素敵な男性がスーパーの中で話しかけてきた。彼の名はスティーブといった。スティーブはユーモアに富んだ話し上手な医者だった。ハンサムだったし、何よりノアと気が合った。
何度かデートを重ねてノアはスティーブに心を完全に許した。スティーブは変わり者でSNSはなにもやっていないという。それに動物を一切食べないベジタリアンだという。
違う部分はあってもスティーブの魅力にどんどん惹かれて行ったノアは、スティーブに誘われるがままにある日週末旅行にでかける。すると旅行先のコテージでノアは突然、飲み物に毒を盛られ、気を失うのだった。
フレッシュのキャスト
- デイジー・エドガー=ジョーンズ
- セバスチャン・スタン
- シャルロット・ルボン
- ジョジョ・T・ギブス
- ダイオ・オケニイ
フレッシュの感想と評価
ミミ・ケイブ監督による、恋愛ドラマとサイコホラーをミックスした監禁カニバリズムストーリー。結構グロい作品なのになぜかディズニープラスで配信されています。
もともとはHulu製作の映画ですが、ディズニーがHuluを買収したのでディズニープラスで配信されることになったんでしょうか。
とにかくとてもディズニー系列の映画とは思えないほど、しっかりとした大人のホラー映画で普通ならディズニープラスで流しちゃだめなやつです。
冒頭の30分はちゃんとした恋愛ドラマになっていて、男女のやり取りが自然なので普通に楽しんで見れました。そしてそこから恋に落ちたヒロインが恋人の別荘に行き、薬漬けにされて監禁される、という急展開がなかなか温度差があっていいです。
ドクターを名乗っていた恋人は、実は人肉を変態富裕層に超高額で売ってお金を稼いでいるサイコパス野郎だった、というのが事の真相で、それも被害者たちをすぐに殺すのではなく、手術して肉を切り取っては食べつくしていく、という地獄の仕打ちをするのです。
ただし、グロいだけのホラーかというとそうでもなく、どこかブラックコメディのような要素も多々あります。監禁中のダンスシーンとかかなりふざけちゃってるもんね。そのためなんとかカルト路線に行かず大衆路線に収まっているのが特徴です。
人肉作品というと、「カニバル」や「肉」なんかがありましたが、そういった作品と比べるとどこか軽くて明るいです。
そういう意味ではゴリゴリのホラー映画ファンには物足りなさがあるだろうけど、一般大衆には見やすい作品かもしれませんね。これ、普通に映画館で上映していてもそこそこ売れてたんじゃないかなあ。
ヒロインを演じるのは、デイジー・エドガー=ジョーンズでどこかデビュー当時のアン・ハサウェイを彷彿とさせます。
それに対してサイコパス役には、マーベル映画のバッキー役で知られるセバスチャン・スタンが好演しています。見た目はさわやかイケメン、中身はどぎついシリアルキラーというのがなかなかはまり役だったんじゃないでしょうか。
一番印象的だったのは、サイコパスの金髪の奥さんが片脚ごっそり食べられていた下りですかね。奥さんまで被害者っていうのがなかなかのインパクトでした。あれで子供もいるってどういう状況だよって話ですね。片脚しかないことは子供たちにどう説明してるんだろう。こわ。
あと、肉を口にするときの咀嚼音が意図的に強調してあって、やけに生々しかったです。あの音で気持ち悪さが倍増したんじゃないかな。新手のASMRですね。ぞくっとしました。
問題点は、監禁がスタートした後に失速するところですね。恋愛ストーリーの流れはものすごくスムーズで監禁までの展開は文句なしだったのに、そこからのエピソードが物足りなさがありました。ヒロインが脱出するのがゴールだとしたら、もうちょっと早く脱出劇を始めてもよかったですよね。
後半もうちょっとハラハラドキドキのテンポと展開を作れてたら、さらにいい作品に仕上がっていたことでしょう。上映時間も1時間半ぐらいに短くまとめておけばよかったですね。
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