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地に落ちた信頼ボーイング737MAX墜落事故を見たら飛行機に乗れなくなる!ネタバレ感想

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この記事は 約5 分で読めます。

ボーイングがどれだけクズ会社かがわかる上質のドキュメンタリー。面白いし、怖いです。68点

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地に落ちた信頼ボーイング737MAX墜落事故のあらすじ

2018年10月29日、インドネシア、ジャカルタを出発したライオン・エアは離陸後すぐに機体に異常が見つかり、パイロットがコントロールを失い、海の中へと墜落してしまう。機体は発売されたばかりのボーイング737MAXだった。

事故当時ボーイングは機体に安全上の問題はないとしたうえで、パイロットのスキルに疑問を抱くなど責任逃れともいえるコメントを発表。

しかし墜落した機体から回収されたブラックボックスを解析していくと、MCASという新しい機能が故障していたことが発覚する。それだけでなくMCASについてはパイロットに一切通知されていなかった。ボーイングは機体を売るために最大のコストとなるパイロットのトレーニングを避けるためにMCASの機能自体を黙っていたのだった。

安全上の問題を真っ向から否定したボーイングはその後もボーイング737MAXを通常通り運航させた。ライオン・エアの事故からわずか4か月後の2019年3月10日、今度はエチオピア航空が墜落事故を起こす。機体は同じボーイング737MAXだった。

今の時代に数か月の間に2度も同様の事故が起こるなどということはあり得ない話だった。まもなくしてボーイング737MAXは世界中で運行が禁止され、ボーイングの信頼は崩れ落ちていく。

地に落ちた信頼ボーイング737MAX墜落事故の感想と評価

「テイク・エブリィ・ウェーブ」のロリー・ケネディ監督による航空機メーカー、ボーイングの実態を暴露する衝撃のドキュメンタリー。これを見たらボーイングの旅客機に二度と乗りたくなくなります。

ボーイングがどのようにして世界中の人々の信頼を得て、また失っていったかを2018、19年に起きた事故を挙げながらわかりやすく解説した記録映画です。

安全ファーストだった会社がいつしか株価ばかりを気にするようになり、コスト削減を図るために従業員やエンジニアの首を切り、ずさんな経営をしたせいで大勢の人々の命を奪うことになった経緯を再現VTRと関係者および被害者遺族のインタビューを交えて伝える見ごたえ十分の1時間30分でした。

航空機といえばボーイングというぐらい、僕自身もボーイングに対しては安全なイメージを持っていましたが、大手の会社というだけで信頼することがどれほど危険なのか改めて知ることになりました。

元従業員によると、かつてボーイングは素晴らしい労働環境と雰囲気の中、エンジニアをはじめ、多くの従業員たちが安全ファーストのため次々と最新の機体を開発していき、世界的なメーカーまで上り詰めたそうです。

そんな社風が変わってしまったのはボーイングがライバルのマクドネル・ダグラスの吸収合併した1997年。合併によって幹部役員が変わり、利益ファーストの会社へと変貌し、安全よりも金、金、金になっていったのです。

ボーイングの機体ってマイナーチェンジはされているものの、もう40年以上もベースが変わっていないんだそうです。全く新しいモデルを作るのは莫大なコストがかかるのでコスト削減のためにずっと同じ機体を使い続け、ライバル社のエアバスに対抗するため燃費のいい機体の製造に迫られた末にできたのがボーイング737MAXだったそうです。

違う機種を作ってしまうと、製造コストが膨れ上がるだけでなく、それに合わせてパイロットの訓練費用がかかってしまいます。それを避けるためにほぼ同じ機体に新しいエンジンだけ搭載したのがボーイング737MAXで「今までと同じ機体で運転するのも簡単。トレーニング不要。しかし燃料コストが大幅に削減できる」というキャッチコピーでバンバン売ったそうです。

ところが「トレーニング不要」というのは真っ赤な嘘で、ボーイングがMCASシステムという新機能を搭載したことを黙っていただけだったのです。

そのせいでMCASシステムに異常が発生したとき、パイロットは対処する術を知らず、事故が起きてしまった、というのがおおよその経緯です。

利益を追求し、人命を軽んじる会社が飛行機メーカーって恐ろしくないですか?それも社長は事故後も責任を他人になすりつけ、あらゆる事実を隠蔽し、堂々と白を切る始末。あまりにもクズすぎて開いた口が塞がりませんでした。

実は僕、エチオピア航空が墜落した数か月前にブラジルー日本間をエチオピア航空で飛んだんですよ。あれもボーイング737MAXだったに違いありません。まさか自分が知らず知らずのうちに殺人飛行機に乗っていただなんて考えるだけでもぞっとします。

個人が人を殺したらすぐに刑事事件になるのに悪徳大企業が人を殺してもいつも金で解決できてしまうのが納得できないですね。その辺の理不尽さは「ダーク・ウォーターズ巨大企業が恐れた男」と通じるものがありました。ボーイング737MAXの危険性を知りながら世界中の航空会社に売っていたボーイングの幹部なんて全員逮捕でいいでしょ。それなのに当時のCEOは何十億という退職金をもらって辞任して処罰一切なしだからね。ありえねえ。

特に遺族のことを思うとやるせないです。金銭的な補償はされるんだろうけど、ボーイング737MAXをめぐって何度も公聴会に呼び出されたり、メディアからのインタビューを受けたりし、そのたびに遺族の死について話しをぶり返されるって地獄の苦しみじゃないですか。

今までは航空会社や値段をもとに飛行機のチケットの購入を決めていましたが、もうほんとこれからは機体にまで注意していこうと思います。できる限りボーイングは避けてエアバスに乗ります。ボーイング嫌いになりました、まじで。

コメント

  1. Canis より:

    これ、凄い面白そう!!

    ナショジオの「メーデー!」も大好きなんですよ。
    でもNetflixでしか見られないのかな?
    映画館で観たいなぁ・・・

    でも、ボーイングは、御巣鷹山に747落ちたとき(それより前?)から
    怪しくないですか?

    • 映画男 より:

      僕は日本航空の事故後もそんなに悪いイメージなかったんですが、この映画を見てはっきりイメージがつきました。