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ミナリは演技は素晴らしいけど脚本はいまいち!感想とネタバレ

この記事は 約5 分で読めます。

どこかに移住したことのある人にしか共感できなさそうな移民家族物語。映像は綺麗だし、演技はいいけど、ストーリーがいまいちでした。59点

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ミナリのあらすじ

韓国系移民のジェイコブは妻のモニカ、娘のアン、息子のデヴィッドとアーカンソー州の田舎町へ引っ越してくる。

しかしいざ新しい家に着くと、そこはボロボロのトレーラーハウスだった。妻のモニカは話が違うと不満そうだった。

ジェイコブはそんな妻をなだめながらも農家として成功する、という夢に向かって突き進もうとする。だが、生活は厳しく、ジェイコブとモニカはヒヨコの選別のバイトをしたりしてなんとか食いつないでいった。

ジェイコブが農園を大きくしようとすればするほど、一家のお金は消えていき、ますます生活が厳しくなった。そんな状況にモニカは子供たちのためにもこの場所を出て安定した生活を送りたいと不満を口にし、夫婦喧嘩に発展することも少なくなかった。

とても子供たちの面倒を見る余裕がなかった二人はモニカの母スンジャを韓国から呼ぶことにする。息子のデヴィッドは初め、口の悪いスンジャのことを怖がって近寄ろうとしなかったが、そのうち祖母を慕うようになっていく。

ミナリのキャスト

  • スティーヴン・ユァン
  • ハン・イェリ
  • アラン・キム
  • ノエル・ケイト・チョー
  • ユン・ヨジョン
  • ウィル・パットン

ミナリの感想と評価

リー・アイザック・チョン監督による、アメリカンドリームを求めてアメリカの田舎町にやってきた韓国人一家を描いた移民ドラマ。

監督自身のセミバイオグラフィーとも言われている作品で、ハリウッド映画にも関わらず、セリフのほとんどが韓国語で、メインキャストは全員韓国人という珍しい設定になっています。

物語にはほぼほぼ韓国人家族5人しか登場しません。新しい土地に着いた彼らが貧困に苦しみ、夢と安定した生活、農園と家族を天秤にかけたりしながらも、なんとか暮らしてく様子を描いていきます。

ジェイコブは男のロマンを追いかけるタイプの夫で、なにより成功したい、成り上がりたい、今が苦しくても将来的にうまく行けばいい、そしたらいつかきっと格好いい姿を子供たちに見せられる、という思いが強いのに対し、妻のモニカは夢なんていいから安定した職を探したい、何もない田舎より、病院が近くにあり、韓国移民がたくさんいる都会で住みたい、という対照的な性格の持ち主です。

そもそも夫婦の考えや目的が正反対であるがゆえに当然二人は衝突します。やがて家の水道が止まり、いよいよ本格的に生活に支障が出ると、モニカは子供を連れて家を出ることを考えます。そんな中、モニカの母親スンジャが病に倒れ、またそのせいで思いもよらぬことが起こる、というのがストーリーの流れです。

正直、全体を通じてそれほどハプニングはありません。人種差別映画なのかと思いきやそうでもなく、あくまでもアメリカで一旗揚げようとする韓国人家族の内面にフォーカスしています。

夫婦目線では慣れない土地と文化での苦労や衝突を描き、子供たちとお祖母ちゃん目線ではユーモアのあるエピソードを見せるというストーリーテリングを展開していて、面白いと退屈のギリギリのラインを行っている感がありますね。

海外で絶賛されたり、高い評価を受けているのは、移民大国アメリカを中心に移民の家族に感情移入できる人達が多くいるからでしょう。

人種や場所が違えど、ジェイコブの志やモニカの葛藤、そして家族が通ってきた道は多くの移民たちが体験してきたことに違いないです。数十年前の移民たちは自分たちを重ね合わせるだろうし、二世、三世は両親や祖父母から直接聞いた話、あるいは自分たちが小さかった頃の思い出を懐かしむことでしょう。

一方で日本人に受けるかというとちょっと難しいかもしれませんね。僕自身、ブラジルに移住した移民なんですが、そもそも時代が違うし、豊かさを求めてブラジルに移り住んだわけではないので、登場人物に自分自身を投影することは難しかったです。

今ならインターネットもあるし、世界中どこでも働けるし、人々のマインドも大分変ったので、移民の苦労っていっても大してないからね。

それに対して昔の移民は本当に閉鎖的な環境で、何もないところから開拓していっているから難易度も比べ物にならないですよね。

そういう意味では終始、「すごいなぁ、大変だなあ」という尊敬の眼差しで登場人物たちを追っていました。

かといって感動したとか、すごく面白かったとは正直思わなかったですね。もうちょっとアメリカ人との絡みがあってもよかったし、なんだかんだいって結局は夫婦の離婚ドラマに落ち着いたという感じがしなくもなかったです。

お互いを救うため、協力し合うために結婚してアメリカにやって来たはいいけど、異国の土地で子供を育てていく中で大きな困難に見舞われたとき、苦しみながらも家族で一緒に歩むべきか、あるいは別れてそれぞれの道を行くべきかの選択に迫られる、というくだりが本作の最大の見所だったんじゃないかな。

それに最後の火事は、離婚を阻止するための口実に使われた感もありましたね。なぜか畑は焼けず納屋しか焼けてなかったしね。

演技はすごくいいんですよ。子役の二人もいいし、お祖母ちゃんもいいし、なにより夫婦役のスティーヴン・ユァンとハン・イェリは最高でした。

ハン・イェリ扮する妻が、「あなたさっき、家族と農園を天秤にかけて農園を取ったじゃない、私にはそれが信じられなかった。もう終わりよ」っていうシーンはリアルでしたねぇ。女が冷めた瞬間の恐ろしさを見させていただきました。

本当、演技は素晴らしかったんですよ。でもやっぱりなにか物足りなかったんですよねぇ。期待値がそれだけ大きかったというのもあるし、お祖母ちゃんが「ミナリ、ミナリ」うるさかった、というのもありそうです。

コメント

  1. きのこ食べ過ぎ より:

    「脚本が弱い」という意見には同意。
    主人公の農場経営に対する計画性が無さ過ぎて、全体的にリアリティーが無い。様々なトラブルも、本質的な理由が「計画性の無さ」に起因するのでそこで苦労する主人公にあまり感情移入できず、妻に同情してしまう。
    終盤の「お祖母ちゃん、脳血管性認知症」からの「失火」エピソードは無理やり感がありすぎ。
    結局、納屋の火事でかなりの収穫物がダメになって借金だけが増えたはずなのに、何か最後は意味不明なほのぼのムードで終わっている辺りが意味分からない。
    駄作とは言わないけれど、オスカー・レベルではないでしょ、どう見たって。
    ぶっちゃけ、移民話に関してはネット・ラジオの「ブラジル日和」で聞いた元UFC王者のリョート・マチダの父親兼師匠である町田嘉三さんの話の方が全然面白い。
    A24のブラッド・ピット系の作品は「アド・アストラ」もそうなんだけれど、考証が雑でリアリティーが無い割にムードとか音楽で持っていこうとしすぎ。

  2. ダダリオ より:

    個人的にはミニシアターで見たらもうちょっと評価上がったかなあって作品です。
    自分の周りではシネコンでしかやってなかったので映像面では自然風景の情緒もいまいち感じられませんでした。
    監督の幼少期モチーフってことは心臓病の下りあたりは本当なんでしょうかね。

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