デンジャー・クロース極限着弾はエンタメ戦争映画!感想とネタバレ

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リアリティーがあるかどうかは疑問だけど、エンタメ戦争映画としては、そこそこクオリティーの高い作品。最初から最後までノンストップで楽しませてもらいました。68点

デンジャー・クロース極限着弾のあらすじ

映画『デンジャー・クロース 極限着弾』予告編

ベトナム戦争中、オーストラリア人とニュージーランド人で構成された軍隊ファースト・オーストラリアン・タスクフォースが南ベトナムのロングタンにベースキャンプを張っていた。彼らはベトコンこと解放民族戦線軍を相手に戦っていた。

ある日、ファースト・オーストラリアン・タスクフォースの11小隊がジャングルの中で敵の小隊と遭遇する。相手はすぐに退散したが、少人数だったために追撃すると、そこには大勢の兵士が待ち構えていた。

たちまち11小隊は身動きが取れなくなり、仲間の応援を呼ぶ。しかし銃撃戦の激しさは増すばかりで、仲間たちは簡単には11小隊のいるところに行くことができなかった。

次々と11小隊のメンバーが相手の銃弾に倒れていく中、兵士の一人がベースキャンプに自分たちのいる位置に大砲で爆撃するように要請する。ベースキャンプの軍曹たちは要請を拒否するが、11小隊のメンバーが全滅するのは時間の問題だった。

果たしてファースト・オーストラリアン・タスクフォースは敵を倒すために仲間もろとも大砲で追撃するのか。それともなにもせずに指をくわえて11小隊がベトナム解放民族戦線軍にやれるのを黙って見届けるのか。究極の選択に迫られる。

デンジャー・クロース極限着弾のキャスト

  • トラヴィス・フィメル
  • ルーク・ブレイシー
  • リチャード・ロクスバーグ
  • アレクサンダー・イングランド
  • ダニエル・ウェバー

デンジャー・クロース極限着弾の感想と評価

クリフ・ステンダーズ監督による、ベトナム戦争に参加したオートラリア軍をつづった戦争映画。

たった108名の小軍隊が、2000人の大軍を相手に戦った「ロングタンの戦い」を基にした実話ベースの物語です。

タイトルのデンジャー・クロースの意味は、味方に砲弾が当たるのを覚悟でオーストラリア軍の兵士が自軍の基地に要請する大砲による攻撃をさしています。つまるところ味方も殺しかねない、至近距離に砲弾を落とす危険な攻撃要請ということです。

僕は、ベトナム戦争にオートラリアとニュージーランドが軍隊を送っていた、ということを知らなかったので、まずそこに興味を惹かれましたね。

アメリカが勝手に大義名分を掲げて、ベトナムに乗り込んでいった戦争に一体オーストラリア人とニュージーランド人はどんな気持ちで戦ったのかというのはあまり知られていない部分ですよね。

ただ、この映画の場合、あくまでも「ロングタンの戦い」そのものがテーマになっていて、登場人物を掘り下げていって、感情移入していくタイプとは違って、いかにオーストラリア軍が絶大絶命のピンチを切り抜けたのかにフォーカスしています。

そのためあまり軍人一人一人の心境までには触れていないのはマイナスポイントでしょう。

唯一、人物描写がされていたのは、デルタ1部隊のリーダーのハリー・スミス少佐と、彼の部下であるポール・ラージ二等兵だけです。

ポール・ラージ二等兵は彼がベトナム戦争を戦っている一方で、地元には家族が普通の生活を送っていて、結婚の決まっているフィアンセが待っていることを語っていました。そして早く家に帰って、ベトナムのことは忘れたい、と言っていたのが印象的でした。

若干20歳そこらの青年にとって、訳も分からずに連れて来られたあの戦争はただの忘れたい経験でしかなかったのでしょうか。ベースキャンプが襲撃されたときも真剣になかった彼の態度は、とても国のために戦っているという意識ではなかったですもんね。

一方のハリー・スミス少佐は厳しい上司で、曲がったことが大嫌い。でも正義感は誰よりも強く、仲間の命を守るためなら、上層部の命令にも逆らう、というキャラクターになっていました。

二人を中心とした兵士たちが繰り広げる鬼気迫る戦闘シーン、生きるか死ぬかの状況における兵士たちの瞬時の判断、息つく間のない展開はとても面白かったです。戦争映画好きにはたまらないはずです。

倒しても倒しても、次々と敵が現れる数的不利の状況にはハラハラドキドキさせられます。話を戦いにフォーカスして、変に恋愛要素とか、友情ドラマにしてないのも功を奏していますね。

それに対し、戦いが激しくなるにつれ、オーストラリア軍の兵士同士の意思の疎通がどんどん取れなくなっていき、それぞれの正義感のために誰も上司の命令を聞かなくなるっていう下りはいかにも映画的でしたね。

戦時中の軍隊であんなに部下がいちいち命令に逆らってたら、どうにもならないだろって。上からの命令は絶対だって叩き込まれてるはずなんだけどね。

また、どう見てもロケ地がベトナムのジャングルじゃないだろっていう意見も聞きますね。言われてみれば確かに熱帯気候な印象はあまり受けず、涼しそうなイメージすら抱きました。

それもそのはず撮影は、オーストラリアのクイーンズランドで行われたんだそうです。

そういう意味では実話ベースながらリアリティーについてはそれほど期待しないほうがいいかもしれませんね。

また、日本人として中立の立場で見たら楽しいもののベトナム人が見たら嫌気がさすでしょうね。

基本、一方的なオーストラリア軍目線の物語なので、勝手に他国に侵攻していって、追撃されたら被害者面して、最後は英雄気取りになられてもね。

その点においてももうちょっとベトナム人の視点が入っててもよかったんじゃないでしょうか。

ベトナム戦争の映画ってほとんどがアメリカ軍側の目線だから、ものすごい不公平だよね。それを考えてしまったら、ベトナム人からしたらこういう映画は寒いでしょうね。

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