プールサイド・デイズ(原題THE WAY WAY BACK)

ダメな大人たちに囲まれた少年が恋をして、自信をつけて、立ち上がっていく前向きな夏物語。感動して泣くほどの話ではないですが、キュートな青春ドラマです。67点(100点満点)

プールサイド・デイズのあらすじ

14歳の少年ダンカンは、離婚した母親と共に生活しているが、彼女の新しい恋人トレントとの関係に悩んでいた。トレントは根暗なダンカンに対して必要以上に厳しく接しており、二人の関係にはいつしか深い溝ができてしまっていたのだ。

ダンカンの母親同様に離婚歴のあるトレントは、その年の夏は互いの家族を連れて自身の別荘で過ごそうと提案し、ダンカンは嫌々ながらトレント一家と過ごすことになってしまう。

案の定、トレント一家と上手く馴染むことができないダンカンは、一人孤独を感じながら町をふらついていた。彼はそこでオーウェンという妙な男性と出会う。オーウェンはデタラメだが自由で明るく、いつしかダンカンも彼に心を開き始めていた。

オーウェンが町のウォーターパークで監視員をしていると知ったダンカンは、自身もそこでアルバイトをすることを決意する。

初めて仕事を任されたダンカンは、そこで働く少し変わった人々と出会い、そして初めての恋を経験する。ひと夏の出会いが、少年の何かを変えようとしていた。

wikipediaより

読者のサバンナさんのリクエストです。ありがとうございます。

プールサイド・デイズの感想

ファミリー・ツリー」の脚本家であり、俳優のナット・ファクソンとジム・ラッシュが監督した、さえない中学生のひと夏の出来事を描いた、青春家族ドラマ。派手さやインパクトはないもののユーモアのある心温まる話です。

内気な少年ダンカンの成長物語といってもいいでしょう。いじわるな家族に囲まれた彼が、優しい赤の他人の大人たちと接しているうちに心を開き、自信をつけていく姿をカメラが追っていきます。

舞台となるのはマサチューセッツ州の海沿いの町ケープコッド。その町に母親と母親の恋人、そして彼の連れ子と一緒にバケーションを過ごすためにやってきたダンカンは最初からノリ気ではありませんでした。

母親と母親の恋人のトレントはダンカンを邪魔者扱いし、二人で楽しむことしか考えていません。ビーチハウスの隣人たちは下品な大人ばかりでダンカンは着いたそばからひどい居心地の悪さを感じます。

そんな彼に優しく接してくれたのが隣に住む少女スザンナでした。彼女もまた両親の離婚を経験し、実の父親とは離れ離れで暮らしていました。

毎晩のようにパーティーに明け暮れる母親と彼女の恋人を尻目にダンカンは家族には内緒で近くのウォーターパークで時間を潰すようになります。

そこで知り合った陽気な従業員たちに誘われ、ダンカンもウォーターパークで楽しくバイトをするようになる、というのがストーリーの流れです。

家族旅行が苦痛で仕方がなかった思春期の思い出を持つ人なら、誰もがダンカンに感情移入できるんじゃないでしょうか。

せっかくの夏休みなのに行き先を決めるのも、やることを決めるのも、食べるものを決めるのも両親。彼らは自分たちのことばかりが優先で子供のことはいつだって知らん顔。

知らない場所に連れて来られたのに、どこかで遊んできなさいなどと無茶苦茶なことを言われ、大人ばかりが酔って大騒ぎしている。子供のときにそんな経験をして、興ざめしたことがある人も少なくないはずです。

僕も子供の頃は家族旅行とか親戚との集まりとか嫌で嫌で仕方がなかったので、ダンカンの気持ちがよく分かりました。家族や親戚と温泉に行ったり、寿司を食べることの何が楽しんだよって思ってましたから。

今思うと、贅沢なことだったけど、子供の頃はできるだけ大人たちと一緒にいたくなかった。友達と遊んでいたほうが楽しかったから旅行なんて行かないほうがましだったんです。

実の家族ならまだしもダンカンの場合は母親のボーイフレンドとその連れ子といった心を許せない人たちと一緒にひと夏を過ごさなければならないので、まさに悪夢のような夏休みですよね。

ふてくされるのはもちろんだし、あの状況にいながらダンカンはすごく素直だし、犯罪に走らず、人に当らないでいられただけでもすごいです。

特に母親の恋人トレントの意地悪さが際立ってましたね。それを最初のシーンのたった一言で印象づけたのは優れた脚本のなせる業でしょう。

トレントは自動車を運転しながら、いきなりダンカンにこう言います。

「1から10段階で、お前は自分に何点つける?俺から言わせたらお前は3点だけどね」。

この一言に二人の関係性が集約されているかのような強烈なセリフですね。このセリフのせいでたちまち話の中に引き込まれました。

母親の彼氏、それも将来母親と結婚するかもしれない男にこんな暴言をはかれた日には絶望を感じるはずです。

そしてそんな絶望からスタートした夏休みの間にダンカンが家族ではない見知らぬおっさんたちに心を救われ、希望を見出していく、というのが素晴らしい展開でした。

家族以外にも信用できる大人が世の中にはいるんだ、ということを知るのは子供にとって大事なことで、一緒にふざけてくれるオーウェンみたいな男がいてくれたのがダンカンにとってはなによりの救いでしたね。オーウェンのギャグとトークはだいぶ滑ってたけど。優しいから、まあいっか。

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