ハクソー・リッジはお爺ちゃんの武勇伝映画!ネタバレと感想

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ハクソー・リッジ

アンドリュー・ガーフィールド主演のアメリカ万歳映画。戦場で戦わずして、多くの仲間の命を救った男を描いたリアリティーのないお話です。40点(100点満点)

ハクソー・リッジのあらすじ

人を殺してはならないという宗教的信念を持つデズモンドは、軍隊でもその意志を貫こうとして上官や同僚たちから疎まれ、ついには軍法会議にかけられることに。妻や父に助けられ、武器を持たずに戦場へ行くことを許可された彼は、激戦地・沖縄の断崖絶壁「ハクソー・リッジ」での戦闘に衛生兵として参加。敵兵たちの捨て身の攻撃に味方は一時撤退を余儀なくされるが、負傷した仲間たちが取り残されるのを見たデズモンドは、たったひとりで戦場に留まり、敵味方の分け隔てなく治療を施していく。

映画ドットコムより

ハクソー・リッジの感想と評価

メル・ギブソン監督による2017年アカデミー賞のノミネート作品のひとつで、アメリカ人が大好きな実話を基にしたヒーローもの。アメリカ軍と日本軍の沖縄での戦いを衛生兵デズモンド・ドスの視点で描いた戦争映画で、老人が若者に話して聞かせるような武勇伝を盛りに盛った内容です。

作り方がほかの実話に基づいた戦争映画と全く同じで「アメリカン・スナイパー」の続編かと思いました。流れとしては幼少時代をほんのちょっと見せて、大人になって戦争に行って大活躍し、ラストは実際の映像と写真で「実話」を強調する、という姑息な手法を使っています。

もともとはデズモンド・ドスのドキュメンタリー映画からインスパイアされたそうで、すでにドキュメンタリーがあるのにフィクションで作り直すというのがなんとも悲しいですね。ドキュメンタリーだとアホなアメリカ人は見ないんだろうなあ。

主人公のデズモンド・ドスはプロテスタント系のセブンスデー・アドベンチスト教会の信者で、人を殺してはいけない、土曜日は安息日だから働かないという信念を持ち、それを軍隊に入っても突き通すという全く融通の利かない男です。それも自ら志願して入隊したのだからなおさらタチが悪いです。

そのため軍の中では訓練もろくにせず、高官たちからは面倒臭がられ、同僚たちからはいじめられるなど、自業自得の目に遭います。

挙句の果てには軍裁判にかけられ、刑務所行きとなりますが、父親がコネを使ったおかげで上層部の一言で晴れて軍隊に復帰し、銃に一度も触れることなく衛生兵として戦場に行くことを許可される、というお話です。

そもそも戦争の武勇伝って、あんまり響かないんですよね。でっち挙げるのも簡単だし、どこまでが伝説で、どこまでが事実なのか確認しようがないじゃないですか。興奮状態の最中に起きたことなんて、後日談にしたら相当膨張されるのが普通だし。

戦争ばかりしてるアメリカ軍のことならこうしたネタなら探せばいくらでも出てくるでしょう。映画を作る題材としては最適だし、なにより国のプロパガンダにもなるから、映画が政治的に利用されるんですよ。

これを一人の人間の強い信念と固い意志の物語のような描き方をしているのが失笑もので、僕からするとただの傲慢で、協調性のない男の話でしかなかったです。

そもそもデズモンド・ドスの幼少期の家庭環境に触れているシーンがほんの一部で、どうのように育てられたのかが伝わりません。前半部分を見た限りでは至って普通のクリスチャンで、軍隊に入ってから急にわがままを言い出したみたいな感じになっていましたね。

中盤に入ると、ほとんどが戦闘シーンに時間が割かれます。一連の戦闘シーンはなかなか迫力があり、アクションとして見るにはいいかもしれません。

ただ、デズモンド・ドスが活躍し始めると、どんどんファンタジーの世界に入っていき、追いかけられている最中に日本兵を治療しだしたり、最後の最後は日本兵が投げた手榴弾を平手打ちで返したり、飛び蹴りで交わしたり、といったカンフーマスターのような話に成り下がっていきます。

そしてもちろん日本軍といえば「腹切り」で、最後はみんな自殺するんだそうです。笑えたのは、あれだけ銃には触れないって言い張っていたデズモンド・ドスが普通に銃を握ってた下りですね。いずれにしてもそんなこだわり強いなら戦争に行かなければいいじゃん。

コメント

  1. wakko より:

    クリスチャンでないとわからない世界だと思います。リバイバルされた方でないとこの映画の輝きは理解できないでしょう。メル・ギブソンは、情けないところもありますが、素晴らしい映画を作ってくれました。
    創造主なる神を信じているので、自分の死は、神の御手の中にあり、生きるも死ぬも神の赦しの中にあります。
    主人公が、神を信じるからこそ銃で人を殺傷することを嫌い、人とは違う選択をした。生きている神を信じない人には、とても考えられないことですね。

    協調性がありすぎる日本人から見ると、滑稽かもしれません。信念を貫くことは、滑稽とは思えませんけど。

    自分を愛し、守りってくださる人がいることは、幸せです。

    でも限界があります。
    全能の神が、自分を守ってくださると信じ切ること、信念を持つことなしに、このような勇気を出すのは不可能じゃないでしょうか。

    実話がベースになっていて、エンディングのインタビューも素晴らしかったです。

    日本兵の描写が、雑かな~と思いましたが、アメリカ映画なのでこれは仕方ないかと。

    クリスチャンの私は、とても感動しましたし、この主人公の信仰によって励まされました。