ピースオブケイクの見所はキスシーンだけ!ネタバレと感想

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わざわざ映画にするかこれ?と言いたくなる、何の変哲も無いエピソードをまとめただけの恋愛ドラマ。特にテーマも、描きたいものもない人がとりあえず映画を撮ると、こういう映画が出来るというダメな見本のような作品。20点(100点満点)

ピースオブケイクのあらすじ

一人きりよりはいいという安易な理由で男性と付き合ってきた梅宮志乃(多部未華子)は、アルバイト仲間との浮気が発覚しDV体質の恋人からフラれ、バイト先から去ることに。状況を変えるべく引っ越した先で出会った隣に住む人は、新しい職場の店長・菅原京志郎(綾野剛)だった。京志郎に強く惹(ひ)かれる志乃だったが、彼には一緒に住んでいる恋人がいて……。

シネマトゥディより

ピースオブケイクのキャスト

  • 多部未華子
  • 綾野剛
  • 松坂桃李
  • 木村文乃
  • 光宗薫
  • 柄本佑
  • 菅田将暉
  • 峯田和伸
  • 中村倫也

ピースオブケイクの感想と評価

田口トモロヲ監督による、最初の10分は、「もしかしたら案外面白いかもしれない」と一瞬期待を抱きますが、時間が経つにつれてそれが間違っていたことに気づかされる映画です。

序盤から主人公の梅宮志乃は、なんとなく流されて男と付き合ってしまうタイプとして紹介されます。

浮気はするは、DVされてもずるずる付き合うは、酔っ払ったノリでキスしたり、やっちゃたりするいわゆる恋にだらしない女なんですが、そのだらしない女がバイト先の店長菅原京志郎(綾野剛)と知り合ったことで、気持ちを入れ替えます。

彼女は急に一途になり、店長に恋人がいても、「片思いでもいいし、一緒に仕事ができるだけで幸せ」などと謙虚になります。ところが一度男女の仲になると、急に独占欲が沸いてきて、相手の浮気を勘ぐり、嫉妬に燃え始めます。

案の条、店長は前の彼女と浮気をしていて、梅宮志乃は旅行中にそれを知ることになり、お風呂場で激怒し、「これからまたあなたを信じられるかどうか分からない」などといった結論をつけ、別れを切り出します。そしてしばらく離れ離れになりながらも、実は二人ともお互いのことを忘れられずにいた、というのが物語のほぼ全貌です。

見せ場はいくつかのキスシーンぐらいでしょうか。居酒屋のキスシーンとかはよくある酔った勢いからのキスなのでそこそこエロかったです。一方でベッドシーンはダメな邦画の王道、シーツクルクル巻きセックスで、二人だけの濡れ場なはずが、明らかに誰かの目を気にしています、という感じに映っていて残念でした。

一見、惚れた男に浮気をされた女がそれでも一途に彼を思い続け、男のほうも浮気をしたけれど、やっぱり本命の女が忘れられなかった、といった純愛を装っています。しかし冷静に考えると、似たもの同士が似たようなことをしているだけの「勝手にしてくれ」恋愛ドラマでした。

本当に純粋なのはむしろ梅宮志乃に散々心をもて遊ばれた、バイト先の同僚だったり、劇団の男のほうです。それでもカメラは基本、主人公の梅宮志乃と菅原京志郎の二人しか追わないから、ただ男と女がくっついては離れて、そしてまたくっつくありきたりの物語にしかなっていないのです。

日本の恋愛映画のよくある重大なミスは恋愛している男女にちっとも「生活観」がないところです。おそらく登場人物のプロフィールを考えるときに監督が深いところまで掘り下げていないのが原因でしょう。ダメな邦画の資料を見たら、主人公の男女のプロフィールってこれぐらいの情報しかなさそうで怖いです。

梅宮志乃

年齢 20代

性格 流されやすい

趣味 お酒

菅原京志郎

年齢 20代後半

性格 優しい

趣味 映画

するとどうなるかというと、あまりにも人物像が曖昧なために物語の世界の中で辻褄がどんどん合わなくなり、「生活観」がなくなるのです。

まず、二人が住んでいるアパートがそうです。野菜や植物がたくさん植えられる大きな庭が付いている古いアパートって設定がちぐはぐすぎてメルヘンチックなんですよ。あそこの家賃はいくらなんですか?って聞きたくなるんですよ。

また、レンタルDVD屋でバイトをしているだけの若い男女が普段から散々飲み歩き、旅行に行ってもそこそこいい感じのオーシャンビュー&個室の露天風呂付きの旅館というのもミスマッチですね。

いっそのこと二人の服装は全部ユニクロで、デートはサイデリア、休みの日は家で映画でも見てたらいいですよ。ロマンチックにすることばかりに気をとられていて、平凡を描けないのが一番の問題なんです。

コメント

  1. ルル より:

    ピースオブケイクは原作が漫画なんですが、こちらは素晴らしい作品でして、変な言い方ですが誠に漫画の枠を超えた映像的な作品で、それこそどこにでもいる人達の話をよくここまで丁寧に表も裏も人間臭く魅力的に書いたなと思わせます。
    が、2時間の映画にまとめようと無謀な賭けに出てそして失敗した、という感じかなと。

    • 映画男 より:

      ルルさん

      やっぱり漫画からの映画化は難しいんですね。そもそも2時間に収めようとするのがムリなんでしょう。

  2. 森 悦 孝 より:

    多部未華子さん主演の「あやしい彼女」を観ました。「ローマの休日」と「バックツーザフィチャー」のパクリが良く、なかなか笑えて良かったです。多部未華子さんの違う作品が見たくなってそれでこの作品を観たんですが、一年前ならまだしも最近はこのブログのオススメ映画をいっぱいみましたので………..多部未華子ファンの方は「あやしい彼女」をどうぞ。歌うシーン、胸にぐっときますよ。