2017/01/11

Amy エイミー(原題Amy)

amy

2011年にこの世を去ったイギリス人ジャズシンガー、エイミー・ワインハウスの生涯をつづったドキュメンタリー映画。2016年度アカデミー賞有力候補の呼び声も高く、批評家たちから絶賛された作品で、デビューするやいなや大成功し、やがて名声とメディアの圧力に押しつぶされるようにドラッグと酒に溺れて転落していく様子を描いた問題作。62点(100点満点)

あらすじ

エイミーは子供のときから歌を歌うのが大好きだった。お転婆で陽気な彼女はどこにでもいる普通の女の子だった。しかしその歌声は力強く、音域は広く、なによりハスキーボイスがユニークだった。そんなエイミーがバンドが組み、2003年にアルバム「フランク」でデビューすると、瞬く間に成功は訪れた。ところがエイミーはそこからプレッシャーと孤独を忘れるためにお酒と薬に溺れるようになっていく。


文句

27歳の若さで亡くなったソウルシンガー、エイミー・ワインハウスの成功と転落の物語です。彼女のことが好きな人には必見の映画ですね。グラミー賞を受賞した2008年ごろは良く彼女の曲が流れていたので、知っている人も多いはずです。特に「バック・トゥ・ブラック」はあまりにも有名ですね。

最初に曲を聴いたときは、黒人のおばちゃんだとばかり思っていたのですが、顔を見たらまだ20代のユダヤ人だったので驚きました。そういった意外性や天然なキャラも人気の秘訣だったはずです。デビューアルバムから瞬く間に有名になって、世界中に知られることになったエイミー・ワインハウスですが、あまりにも急に別世界へと足を踏み入れてしまうと、人間はそれに耐えられなくなるのか、彼女はすぐに酒や男に依存を始めます。

不運だったのは、どうみてもヒモにしか見えないビデオの撮影アシスタント、ブレイク・フィールダー・シビルに惚れてしまい結婚したことでしょう。この男がまた大のドラッグ中毒で、コカインやらヘロインといった中毒性抜群の薬をエイミー・ワインハウスにあてがい、そのせいで健康的で豊満な体をしていたエイミーはやせ細り、次々と問題を起こしていきます。

気づいたときにはすっかり麻薬中毒になっていたエイミー・ワインハウスは当初は反対していたリハビリ施設に通うようになり、またそのうち夫のブレイクも問題を起こし刑務所に服役します。その頃にはエイミー・ワインハウスはすっかりイギリスではお騒がせタレントとしてパパラッチに追いかけられるようになり、逃げ場を失います。

そのうち平然とお酒を片手に舞台に上がるようになり、セルビアのベオグラードで行われた野外ライブで泥酔してほとんど歌も歌えずに公演を終えるという失態を犯します。そしてその翌月には自宅でアルコール中毒で死んでいるところを発見される、というのがストーリーのおおまかな流れです

見方によっては麻薬の世界に引きずり込んだ旦那、エイミー・ワインハウスの体調管理を怠ったレコード会社、リハビリ施設に入れるのを一度は拒んだ家族、必要以上に付きまとったマスコミなどを批判しているようでもあり、責任をかぶせているような印象もありました。しかし不慮の死をとげた人に対して、何が悪いというほどむなしいことはなく、それが彼女の悲しい運命だったとか言いようがないです。

旦那が悪いというのは簡単だけれど、その男を選んだのは自分だし、音楽業界が酷いというのは簡単だけど、その世界に自分で飛び込んだわけだし、エイミー・ワインハウスがもっと地に足が付いていたら、まだまだいい曲が作れたのにと思うと残念で仕方ないです。なにより無名時代のときのインタビューで「自分には名声は手に負えないと思う。有名になったら頭がおかしくなるわ」と言っていたのが忘れられません。

この映画を見る限りエイミーはかなり依存的なタイプなのが分かります。男に依存し、酒に依存し、薬に依存し、おそらくとても孤独だったのでしょう。ジャズ特有の悲しさやせつなさがエイミー・ワインハウスの人生ともかぶって、なおさら物語を感傷的にしていましたね。

それにしても女がなんであんなに悪い男に惚れるのかは理解できません。酒井法子とかもそうでしたけど夫婦でドラッグだの酒だのに溺れてるカップルって救いようがないですね。極論を言うと、僕からしたらタバコを吸う奴の「愛してる」とかにもちっとも説得力を感じません。愛してるなら相手の健康も考えろよって思います。もういい加減、自己破滅的な男が格好いいっていう風潮やめませんか。これからはパンクロッカーとかも早寝早起きの健康志向とかのほうが逆に面白いです。

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