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エベレスト 3Dは実話を基にしたダメフィクション!ネタバレと感想

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everest

1996年に実際に起こった「エベレスト大量遭難」を基にした登山映画。吹雪、雪崩、遭難と予想通りの展開とハプニングしか起こらない、至って普通の作品。40点(100点満点)

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エベレスト 3Dのあらすじ

世界にその名をとどろかせるエベレスト登頂を目指し世界各地から集まったベテラン登山家たちは、参加者の体調不良などトラブルが重なり下山が大幅に遅れる。さらに天候が急激に悪化し、命の危険性が劇的に高いデスゾーンで離れ離れになってしまう。ブリザードや酸欠などの極限状況に追い込まれた一行は……。

シネマトゥディより

エベレスト 3Dの感想

大勢の死亡者を出した遭難事故を感動的に描いた物語で、登山家の勇気と精神力ばかりを強調した、いかにもハリウッド的な登山ストーリーに仕上がっています。

yahoo映画のあらすじには「エベレスト登頂を目指し世界各地から集まったベテラン登山家たち」と書いてありますが、実際に登山に参加したのは、登山経験こそあるものの、8000m峰の経験はないアマチュア登山家ばかりで、企画そのものがそもそも一定の資格さえクリアすればお金を払えば誰でも参加できる、プロのガイドに付き添われて登頂する「商業公募隊」だったそうです。

生きるか死ぬかのところにアマチュアを連れていくとどうなるか、といえば結果は目に見えていて、予想外のことが起これば当然みんなが上手く対応なんてできるわけなく、登山の参加者たちは酸素がなくなってパニックになったり、失明障害を起こしたりします。

また、参加者同士がモタモタして足を引っ張り合い、予定以上に時間がかかったため、みんなが想像以上に酸素と体力を失っていきます。最後は雪崩や吹雪といった天候的な不運も重なり、やっとのことで登頂したはいいものの、下山中に参加者が遭難したり、滑落したり、凍死したりして次々と命を落としていきます。

本作は、その一連のハプニングを、主に登山グループリーダーたちの目線で、彼らがいかに命を張って参加者たちを守ったかをドラマチックに描いています。

残念なのが登山シーンやエピソードが飛び飛びなため、あまり全体の状況が伝わってこない点です。何が問題で参加者たちが次々と命を落としたのかをあいまいにしていて、天候や山のせいにしているような雰囲気すらあります。

壮絶なサバイバル劇といえば間違いないです。ただ、エベレストなどの難関に挑戦する登山家の場合、戦場や災害を生き延びるサバイバル劇とは全く別で、自ら命のリスクを犯しているからか、命を落としていく登場人物たちにも特に感情移入はできませんでした。

おそらく彼らにとっても山で死ぬことは本望であって、最初から同情なんて求めていないでしょう。

いずれにしろ、僕には「プロのガイドを従えて、ツアーでエベレストを登る」という感覚が理解できません。

「エベレスト大量遭難」のときの参加者たちはまだ登山経験者たちだから分かりますが、日本のTV番組がタレントを使って登らせたりするように、全くの初心者でも行けるエベレストツアーも普通にあるようです。

そもそも十分な知識も体力も経験もない観光客が「登った」と周囲に自慢したいがためだけにエベレストに行くことについては、自然に対しても、プロの登山家に対しても敬意を感じません。

エベレストツアーもそうですが、オーロラツアーとかに参加するような観光客も僕は大嫌いです。金にものを言わせて、たった数日の間に自然の超常現象の恩恵を授かろうという魂胆がむかつきます。

ああいうものは、厳しい冬の中で生活している住民がふと空を見上げたら、視界に美しい光のカーテンが入ってきて心を奪われ、「この土地も捨てたもんじゃないな」と思うものであって、普段生ぬるいところで生活している平和ボケ野郎たちがちょこっと見て、感動したフリをするものじゃないんですよ。

世界中どこでも誰でも観光で行けるようになったことが、果たして本当にいいことなのかどうかこの映画を見て改めて考えさせられました。

コメント

  1. マーチ より:

    下山時刻になっても頑なに登ろうとした人物に対し、主人公が「ダメ!ゼッタイ!」と心を鬼にして言えたら良かったのですが、強く言えなかった背景があるようです…。
    また酸素ボンベが何回数えても足りない!と言っていた彼は低体温症にかかっており、正常な判断ができませんでした。
    このことが後に悲劇の発端になりますね…。

    お金もかかるし人によっては最後のチャンスなので無理に登頂したがりますが、実際には安全に下山できるまでが登山なんですよね!
    登頂がゴールじゃないのに…。
    エベレストに限らず、やはり山は恐ろしいです。