
犬好きが泣いて喜ぶタイプの愛と友情と絆の物語。見ても損はない映画です。55点
ハート・オブ・ビーストのあらすじ
元アメリカ陸軍特殊部隊の兵士のジェームズ・ベルモントは引退後、軍用犬オーディンと大自然の中でシンプルライフを満喫していた。
二人はそれぞれ戦争の後遺症のせいでPTSDを患っていただけでなく、オーディンは義足を使い、ジェームズの体も傷だらけだった。
そんなある日、二人がキャンプをしていた場所に嵐が訪れたため、セスナ機に乗って回避しようとする。ところが操縦中、ジェームズは心臓発作に遭い、セスナ機はアラスカの荒野に墜落してしまう。なんとか一命を取り留めたジェームズとオーディンだったが、救助が来る見込みのない中、二人は厳しい自然の中安全な場所を目指して過酷な道を歩くのだった。
ハート・オブ・ビーストのキャスト

- ブラッド・ピット
- J・K・シモンズ
- アンナ・ラム
ハート・オブ・ビーストの感想

「ビーキーパー」、「L.A.スクワッド」、「フューリー」、「スーサイド・スクワッド」、「ブライト」などで知られるデビッド・エアー監督による大自然サバイバルドラマ。元特殊部隊員と軍用犬のコンビが極限の状態を熱い友情とサバイバルスキルで切り抜ける話で、犬好きに刺さる映画です。
サバイバル映画にもさまざまな種類がありますが、本作は「キャスト・アウェイ」、「127時間」、「オール・イズ・ロスト」と似た自然の脅威から生存するのを目的とした話で、最近流行りのゾンビから生き延びるとかクリチャーから生き延びるとかといった種類の映画とは似て非なる作品で、どっちかといえばこっちのサバイバル映画が個人的には好きです。アクションや興奮には欠ける分、生きるか死ぬかのリアルな状況がその人の哲学や人間性を感じさせてくれるんですよね。
主演がブラッド・ピットと聞いて、もしかすると、またブラピが格好つけるだけの寒い映画になるのかなあと思ってたんですが、蓋を開けてみると、彼にしては大分格好つけを抑えていましたね。まあ、それでもイケオジには変わらないんですけど。
登場人物はごくわずかで、ほぼほぼブラピの独壇場。そこに犬の演技が加わることによってある種の化学反応が生まれていました。
ストーリーは大変シンプルで、セスナ機で旅をしていた元軍人と軍用犬がアラスカの大地で飛行機事故に遭い遭難してしまう、というプロットのもと、二人が力を合わせてどうやって生き延びるかに焦点を当てています。
途中、熊と遭遇したり、狼に襲われたり、激流に流されたり、といったハプニングが起こりつつ、できるだけ退屈させないような工夫がしてありました。
リアリティーがあるかどうかでいえばあまりないです。特に飛行機が墜落しても主人公がほぼ無傷だったり、打撲、骨折なんのそのって感じで、いいおっさんが重傷を負っても元気溌剌に動き回る様子は、いかにも映画的でした。犬も不死身だしね。
あと、食料もほとんどないような状況なのに体力の消耗が終盤まで見えないし、でも全ては元特殊部隊だから、こんなことではへこたれないみたいな雰囲気があって、無理やり視聴者を説得してる感じはありましたね。
それにしてもハリウッド映画って元スパイとか、元特殊部隊とか、元刑事とかの登場人物多くないですか? みんなとっくに引退してるのになぜかいまだに滅茶苦茶強いみたいなキャラになりがちですよね。別に普通のキャンプ好き、犬好きのおっさんじゃダメなのかなあ。極限状態でなんでも対処できる人より、どうしたらいいかパニックになってあたふたする人の話のほうが興味湧くんですけどね。
それでもほかのサバイバル映画と違うのは、主人公が犬と一緒に行動しているという点でしょう。犬が加わるだけで、普通の視聴者+犬好きが見る映画となり、また犬とのやり取りによって感動が生まれる相乗効果が出ていました。ちなみに僕も大型犬を飼っているので、この映画を見た後にすぐに散歩に行きましたもん。
戦争の回想シーンが度々挿入してきては地獄を見てきた飼い主とその犬という絵を強調してくるんですが、あれは余計でしたね。愛国的・軍人的な感傷が強すぎると捉えられなくもないし、軍事プロパガンダ的にも感じられてしまいます。
その一方で犬の演技は素晴らしかったし、ラストも人間と犬の物語を美しく締めくくるためにはああするのがベストだったかなという終わり方になっていました。ただ、手紙のパートはいらなかったね。犬が草原を突っ走ったところで終わっておけばよかったのになあ。まあ、突っ込みどころはありつつ、全体的には楽しんで見れるいい映画だったと思います。



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