社会風刺やヒーロー映画の皮肉だけが売りで、脚本、演技、演出は二流尽くしのダークヒーロードラマシリーズ。全体的に安っぽいです。30点(100点満点)
【ドラマ】ザ・ボーイズのあらすじ
ヒューイは仕事の帰り、恋人のロビンと二人の将来について話していた。ロビンは突然一緒に住もうとヒューイに提案し、ヒューイは舞い上がっていたところだった。
しかしそのとき突然何者かがロビンの衝突してきては、ロビンの体を粉々にしてしまう。残ったのは両腕だけだった。
一方、アニーは生まれつきスーパーパワーを持っていた。彼女には超人的な力の強さがあるだけでなかう、目から光線を放つことができた。
そんなアニーはスーパーヒーローたちを雇用しているヴォート社と面接をして、見事ヒーローとしての職を得ることができた。彼女は憧れのヒーローチーム、セブンに加わることになった。
ところがアニーが夢を抱いていたチームは正義の味方とはとてもいいがたい腐敗しきったメンバーによって構成されていた。彼らはヒーロービジネスによって得られる名声や欲を満たすことばかり考えていた。
恋人を殺されたヒューイはロビンの敵を取るためにヒーローたちに復讐を考えていた。そのとき彼の前にFBIを名乗るビリー・ブッチャーが現れ、仲間を集め打倒ヒーローを目論むザ・ボーイズを結成する。
【ドラマ】ザ・ボーイズのキャスト
- カール・アーバン
- ジャック・クエイド
- ラズ・アロンソ
- トマー・カポン
- 福原かれん
- エリザベス・シュー
- エリン・モリアーティ
【ドラマ】ザ・ボーイズの感想と評価
アマゾン製作による、同名コミックを基にした、腐敗したヒーローに一般市民が立ち向かっていく、ダークコメディーの要素が強いアクションドラマ。
ヒーローが悪役に回る、という点においては斬新なものの、それ以外は特に刺激も面白味もないシリーズ。
アマゾンが世界中に売り出しているシリーズなので期待して見たら、つまらなかったです。
ブラックコメディというほど笑いはないし、ヒーローアクションにカテゴライズするほどアクションシーンもなく、かといって国家を揺るがす企業の陰謀を描いた、というほどのスケールの大きさもないです。
まず、冒頭でいきなり「本作は成人視聴者を対象にしており、一部過激な言語、暴力、表現、性描写が含まれます」と注意書きが流れます。
ヒーロー映画なのに過激な暴力と性描写だなんて、一体どんな内容なんだろうと思ったら、ほんのちょっとグチャっと人が死んだり、お色気シーンがある程度で、これを成人映画としているレベルの低さにはビビりました。
舞台は、国民から絶大な支持を受けるスーパーヒーローたちが活躍する世界。ヒーローたちはしかし市民の命を救うだけでなく、企業の広告塔になったり、商品のパッケージに登場したりと、一大ビジネスとして利用されています。
そんな彼らを操っているのは、悪徳企業のヴォート社。ヴォートは平和を守ることよりもいかに利益を上げることしか考えておらず、そのために議員たちを囲い込み、軍事にまでヒーローたちを送り込もうとします。
そんな企業の実情を知らずに入社したスーパーパワーの持ち主アニーは、ヒーローチームのセブンの一員になったものの、あまりにもブラックな環境に嫌気が差すものの、権力に抑え込まれてしまい、仕事と正義感とのはざまに苦しみます。
一方、自分の恋人をヒーローに殺されたヒューイは、ヒーローたちに復讐を誓う、というのがストーリーの流れになっています。
ヒーローたちのキャラはキャプテンアメリカ、スーパーマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、あるいはクイックシルバーといったDCコミックやマーベルコミックのキャラの丸パクリです。
あえて真似ることで、それらのキャラを皮肉ってるといえばそれまでなんだけど、いちいちダサいから、格好いいヒーローたちが実は腹黒い悪い奴らだったというフリがあまり効いてないんですよね。
逆にヒーローたちを倒そうと目論むザ・ボーイズたちは、それぞれ恨みを抱えているらしいんですが、ヒーローたちを殺すほどのはっきりとした動機があるのはヒューイとビリーぐらいでキャラクターの背景にまともに触れていないから、ほかの奴らがあんなに頑張ってる意味がよく分からなかったです。
なによりヒーローたちをはじめ、出演者が二流感漂うキャストなのがいけませんね。どこかで見たことあるけど、名前までは出てこない人たちばかりで、僕が認識できたのはエリザベス・シューとサイモン・ペッグぐらいでした。
ただし、いくらもっと有名どころのキャストを集めたところで、このシリーズはどうにもならなかったんじゃないかなぁ、という気もします。
アマゾンってネットフリックスとかHuluなどと比べると、いまいちオリジナルドラマシリーズでは力を発揮できてないですよね。お金はかけてるのに質は低いってなんだろうなぁ。本気度が足りないのかなぁ。
まず、すでに話したようにダークなヒーローの世界を描いているわりには描写がソフトなんですよね。原作はもっとグロいらしいですね。
でも従来のヒーロー物語のイメージを覆して、クズのヒーローたちを描くには表と裏の顔を大胆に描くぐらいじゃないと意味がないですよね。
そこに挑戦しないんだったら実写化する意味があるのかよっていう話なんですよ。ヒーローたちのクズっぷりも中途半端だったしなぁ。どうせやるならセクハラ、パワハラ、殺人など、もっととことんやらないと。全部が甘いんだよ。
あと、それぞれのエピソードが薄く、展開も少ないです。色々な登場人物の様々な出来事を飛ばし飛ばしで見せていくせいで、肝心なヒーローVSザ・ボーイズの対決がおろそかになってましたね。
エピソード1を見ただけではこの物語がどういう方向に向かっていくのかが全然見えてこないから多くの人は続きを見る気にはならないんじゃないかなぁ。
シーズン1は8エピソードまであるんだけど、そもそもシーズン1で終わらせるつもりがないから、全然話がまとまらなかったし。この分だと、シーズン2も期待できないなぁ。
コメント
私は第一話で世界観に引き込まれたので期待していたのですが、見れば見るほど退屈になっていきましたね。
本当におっしゃるとおり、ヒーローのブラックさが足りないです。
テーマは悪くないのに、もったいないですよね。もっと思い切りやればいいのに。
ほんとそれですよ
せっかくの成人映画で尚且つMCUやDCEUではやらせて貰えない過激表現が許されてそれが有意義な旨味になるというのに
既存のお子様向けヒーロー映画にちょっとグロと下ネタを付け足しました!って程度なので肩透かしで凄いガッカリ
他にもデッドプールやブライドバーンにもいえる事なんですけど
こういう映画ってもっと徹底的にブラックやダークに描かないと作品として価値が無いし勿体無いと思うんですよ
だって他のヒーロー映画でヒーローストーリーなんて散々やってる訳だし
そういう映画はガチガチの自主規制でヌルい表現ばかりやってる訳で
でも成人映画ならその逆の事をやれるのに何故やらない?っていう
ほんと、そうですよね。アマゾンプライムでやったのに、民放のような規制の中でやってるような表現ばかりでがっかりしました。