
ありえない設定と、ありえないストーリーから最後は笑うしかないエンディングで締めくくる、SFというジャンルを冒涜している映画。10点
プロジェクト・ヘイル・メアリーのあらすじ
主人公ライランド・グレースは、地球から何光年も離れた宇宙船「ヘイル・メアリー号」の中で、重度の記憶喪失状態のまま目覚める。他の2人の乗組員はすでに死亡しており、彼は自分がなぜここにいるのか、何をするべきなのかを、断片的によみがえる記憶を通して少しずつ理解していく。
かつて分子生物学者だったグレースは、現在は中学校の理科教師として暮らしていた。一方で人類は太陽のエネルギーを吸収して増殖する謎の宇宙微生物「アストロファージ」によって、存亡の危機に直面していた。
アストロファージの影響で太陽光は減衰し、地球は数十年以内に生命が絶滅する可能性を抱えていたのだ。そんなある日、太陽と地球を滅亡の危機から救うための国際的な超大型プロジェクト、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の最高責任者のエヴァ・ストラットがグライスに協力を要請する。
人類は最後の望みを託し、アストロファージの影響を受けていない11光年先の恒星タウ・セティへ、解決策を探すための自殺同然の任務としてグレースを強引に送り出す。
宇宙に送り出されたグレースは孤独な任務を続ける中、同じ目的を持って別の星系からやって来た宇宙船に遭遇。そこで彼は、クモのような姿をした岩石質の生命体、通称「ロッキー」と出会う。二人は科学と数学という共通言語、そして即席の翻訳装置を介して意思疎通を図り、互いの母星を救うため、前代未聞の協力関係を築いていくのだった。
プロジェクト・ヘイル・メアリーのキャスト

- ライアン・ゴズリング
- ザンドラ・ヒュラー
- ケン・レオン
- ミラーナ・ヴァイントゥルーブ
プロジェクト・ヘイル・メアリーの感想と評価

「LEGO ムービー」で知られるフィル・ロード&クリストファー・ミラー監督による、同名小説を基にしたゴミSF映画。ご都合主義にもほどがあるストーリーと、ダラダラのテンポ、そして誰もが納得行かない最悪のオチによってできたポンコツ宇宙映画です。
現役の中学校の科学の教員が、ひょんなことから地球を救うために強引にスーサイドミッションに参加させられる、というなんとも安っぽい話で、受け狙いなのか、感動狙いなのか、ヒューマンドラマにしたいのか、宇宙の物語にしたいのか、さっぱり方向性が分からない代物でした。
方向性はさっぱりだけど、ライアン・ゴズリングの映画だということは誰が見ても明らかで、設定やストーリーなどはもはや関係なく、ライアン・ゴズリングを2時間以上大画面で見つめていたい人だけが楽しめる映画になっていました。つまり見るなら、アイドルが主演している邦画を見るノリで見ないと無理が生じます。
構成ミスというか、編集ミスというか、ストーリーテリングにおいて、現在過去を行ったり来たりする手法を選んでいて、それが話に入っていくのをこれでもかというぐらい妨げていました。宇宙のいるかと思ったら、過去の地球のシーンに戻ったりの連続だから話が進んでいる感じがしなくて途中で見るの止めたくなります。大したアイデアがないんだったら時系列順に見せればいいんだよ。
ただでさえ見どころも見せ場もないような話なのに2時間半を超える尺にした理由がまず理解できません。それも大部分がライアン・ゴズリングの一人芝居。ほとんどがあのはにかんだ笑顔のみ。あれならイッセー尾形のほうがよかったんじゃないですか。
地球が滅亡するかどうかっていうときなのに悲壮感もないし緊張感もありません。宇宙船の中でもゆるゆるで危険を一切感じません。宇宙にいてあれはないわ。日本の国内線の飛行機に乗るほうがよっぽどハラハラするだろ。
そして物語はいつしか地球を救うという目的から大きく外れて、宇宙人のロッキーと主人公が友達になる、という友情物語に路線変更していきます。あの急展開には開いた口が塞がりませんでした。そこからはもう地球そっちのけで主人公と岩がいちゃいちゃするだけの話になり、一体俺はなにを見せられてるんだろうと自問自答せずにはいられませんでした。もうそんなに仲いいなら二人付き合っちゃえよ、とか冷やかされても仕方がないくらいの相思相愛ぶりが気持ち悪く、二人の関係がそのままエンディングまで続いてしまうのが爆笑でした。
やがてミッションは成功し、地球に研究データとサンプルを積んだ探査機を送ったことでめでたしめでたしになるんですが、ここで主人公が史上最高レベルのしょうもない究極の選択に迫られます。それは地球に帰るか、それとも親友のロッキーを救うか。いやいや、普通なら二択ですらないんですよ。地球に帰るに決まってるんですよ。
ではここでネタバレ行きますよ。知りたくない人はこれ以上読まないでくださいね。主人公はあろうことか、ロッキーを救うために地球に帰ることを断念し、最後はロッキーの惑星で一緒に暮すんだとさ。めでたしめでたしって。うそだろ? それもロッキーの惑星にいる主人公、めっちゃ楽しそうなの。新婚の新郎、いや新婦の顔してんだよ。「私、ロッキーとさえ一緒にいれたら幸せなんです」みたいな表情なの。あれ、絶対ロッキーに抱かれてるだろ。もう笑うしかなかったわ。
腹立つのが、このラストのためだけに主人公は身寄りもいない、パートナーもいない、子供もいない、ペットもいないみたいな背景にしているところです。それならライアン・ゴズリングみたいなイケメン起用するなよ、ボケが。なんであいつがシングルなんだよ。もっといかにも独り者みたいな奴で行けよ。なんでハリウッドを代表するイケメンが、岩のために自己犠牲払ってんだよ。それも人類のためだろうと命は捨てたくないって言ってた奴が岩のためならなんでもしますって。なんでもありだな。


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