2016/11/11

ニンフォマニアック Vol.1&Vol.2(原題 NYMPHOMANIAC)

nymphomaniac

性に貪欲なヒロイン、ジョーの半生を振り返るエロティック追憶ドラマ。真剣に性を追及していくジョーの行動がエキサイティングで、ときに恐ろしくもあり、ゾクゾクワクワクさせる退屈しない大人の映画。64点(100点満点)

ストーリー

寒い冬の夜、年配のセリグマンは裏路地でぶちのめされたジョーを見つける。セリグマンは彼女を家に連れ込んでケガの治療をし、彼女の人生について尋ねる。ジョーは高度にエロティックな人生についての淫欲にまみれた物語を8章にわたって語る。セリグマンは読書家でいろんな知識を持っている。彼はジョーの物語を、本で読んだことに関連付けてゆく。

wikipediaより


文句

監督は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、「メランコリア」、「アンチクライスト」のラース・フォン・トリアーです。主役のジョーを演じたのが「アンチクライスト」でヒロインを演じたフランス人女優シャルロット・ゲンズブール。

アンチクライスト」でもセックスシーンはそこそこ話題になりましたが、今回はそんなのの比じゃないです。日本ではモザイクがかかるでしょうが、実際は挿入、フェラ、クンニなどの過激なシーンを全て体当たりでこなしているのが見どころです。俳優はそれこそ実際に勃起させているし、女優は実際にしゃぶっています。「ナイン・ソングス」でも同じでしたが、そういうことを映画の中でやると、必ずこんな批判をする人がいます。

「ただのポルノじゃないか」。

本格的なセックスシーンがある=ポルノ、という発想ほど乏しい感覚はありません。そういう人はおそらくセックス自体もいやらしい行為としかとらえていないようなふしがありますね。この映画はそういう人は見るべきではないですね。

ポイントは監督がデンマーク人で、主演がフランス人で、制作がドイツ、フランス、ベルギー、デンマークなどの欧州諸国だという点です。

日本はもちろん、アメリカでもこのタイプの映画は制約だなんだで撮れなかっただろうな、という印象を受けるからです。そういう意味では欧州はやっぱり進んでいるんだな、と思いますね。ちゃんとこの手の映画にお金を出す企業がいるというだけでも。

さて、物語はジョーの生い立ちからさかのぼります。ジョーが幼少時代に下半身裸でバスルームでカエル泳ぎをしたとき、体育館のロープにぶらさがったときの性の目覚めに始まり、味気のない初体験を経て電車の中で乗客と次々とゲーム感覚でセックスしていく過程などが語られます。

ジョーはセックスは好きでも男性に対してはほとんど感情を抱かず、不倫現場に相手の奥さんが現れても平然としていられる恐ろしい神経の図太さがあり、その精神はやがて歯止めがきかないほどに屈折していきます。

やがて初体験の相手ジェロームと再会し、恋心を抱くも行き違いになり、その間にも絶え間なく様々な男性と関係を持ちます。しばらくしてから再びジェロームと遭遇し、愛に溢れるセックスにたどり着けたかと思いきや、その頃にはジョーはすっかり不感症に陥っていたという皮肉が待っています。

セックスが原因で二人の関係はあえなく破綻。なんとか性的刺激を得ようとジョーは黒人男性を試したりしていく中で、いつしか怪しいSMの世界へと足を踏み入れていく、というのがだいたいの流れです。

単純に見るとジョーはセックス大好きのやりマン女ですが、彼女の表情や行動を観察していくと、セックスに対する一貫した真面目さが感じられるのが深いですね。考え付くことはなんでも経験してやろうといった、どんな世界にでも飛び込んでいくあの探求心には脱帽します。

実際人間ならいろんなセックスの状況を想像すると思いますが、なかなかあそこまで実践できる人は少ないはずです。セックスレスのカップルはむしろ見習うべきで、なんか最近パートナーとマンネリ化してるなあ、という人が見たらいいんじゃないかと思いますね。それで見終わった後に二人で話し合ってみるのも面白い楽しみ方かもしれません。

マイナス点といえば映画がvol.1とvol.2の二本立てということです。最悪映画館で見る場合は、別の日に2回行くことになるんでしょうか。視聴者のことを考えると、そこはなんとか3時間ぐらいの長編1本にまとめるべきでしたね。十分に面白いんですが、一本目でもういいやとなる人が大部分になりそうな予感はあります。マーケティングは失敗かな。

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