2017/11/06

オーバー・ザ・ブルースカイ(原題: THE BROKEN CIRCLE BREAKDOWN)

bronken

アカデミー賞外国語映画のノミネート作品。結構よさげなスタートを切りながら、途中でダレていく失速恋愛ドラマです。31点(100点満点)

オーバー・ザ・ブルースカイのあらすじ

ブルーグラスバンドでバンジョーを演奏するディディエ(ヨハン・ヘルデンベルグ)とタトゥーショップを営むエリーズ(ヴェルル・バーテンス)は、互いに型 破りで性格も趣味も違うが一目で恋に落ちる。やがてエリーズはディディエのバンドで歌うようになり、音楽は二人の絆を固くしていく。結婚して娘が生まれ幸 福な日々を過ごすが、まな娘の重病が発覚したことから二人の愛に試練が訪れる。

シネマトゥディより

オーバー・ザ・ブルースカイの感想

基本的に過去を回想していくだけのストーリーにいまひとつアイデアがなく、感動を起こしたいだけの演出しかしていない駄作です。

感動を起こすためにショボ監督が使う汚い手に「家族を死なす」というのありますが、この監督は劇中にあろうことか2回もその手を使ってきます。

最初は娘、最後は主人公の妻です。それも「娘を癌で死なす」といったそれだけで子持ちの大人だったら涙が流れてしまうような姑息な手段で視聴者を泣かせにかかります。

となると娘を巡る夫婦、家族の愛情の物語かと思えば、その中にカントリーミュージックを詰め込んできたりして、ミュージカルの要素まで入れたりなんかしているから、上映時間は自然と長くなり1時間50分を超えてしまいます。

欲張り映画が崩壊する理由はここにあるのです。テーマがいくつもあるから、視聴者がどこに目を向けていいのか分からず見終わった後に、「あーあ疲れた。で結局なにが言いたかったの?」という感想になるのです。

主人公は田舎の掘立小屋に住むカントリーミュージシャン、妻は刺青の彫師という不釣り合いなカップルの設定も不自然でしたね。

妻は彫師のくせにギターも弾けるし、歌を歌わせたら上手いし、いつの間にかバンドに加わってたりして、なんであんなに器用なのかが信じられませんでした。それだったらもともとミュージシャンという設定にすればいいのに。タトゥーというもうひとつのエピソードを加える必要性がないんです。本当に無駄が多いですねえ。

極め付けはラストシーンです。妻が自殺未遂をして病院に運ばれます。意識はなく、すでに脳死の状態だと夫は医師に告げられます。

そこで夫なベッドで寝ている妻を前にバンド仲間を集めて演奏するのです。狭い病室で、死を目前にしている妻に捧げる曲がまたカントリーミュージックって。

せめてあそこはバラード調の悲しい歌にでもすればいいのに、「イーハー」とか言いながら、ズッチャンズッチャンズッチャンとギターをたたき出すのです。あれはベルギー流のユーモアだと僕は信じています。

そうですね、この映画で褒めるところといったら、主人公のカップルがカーセックスするところぐらいですかね。なんで家もあるのにわざわざ車でしないといけないのかは分かりませんが、夫婦になってもあのアツアツぶりを保っているのはよかったです。あのシーンだけでも日本のセックスレス夫婦にぜひ見てもらいたいです。

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