2016/03/13

パリ、ただよう花(原題 LOVE AND BRUISES)

machu

30点(100点満点)

ストーリー

教職に就いている若い花(コリーヌ・ヤン)は、北京からやって来たばかりのパリの街で、次から次へと男たちと情事を重ねていく。彼女は小さなアパートの部屋と大学を行き来しながら、以前付き合っていた恋人やフランスで知り合った人々と接点を持っていく。ある日、花はマチュー(タハール・ラヒム)と出会い電撃的な恋に落ち、互いに激しく体を求め合う。

シネマトゥディより

文句

インテリ層の中国人女性と肉体労働者のフランス人男性による国際恋愛ドラマ。中国人監督が撮っただけにフランスを舞台にしながら中国っぽいエピソードが盛りだくさんのヘンテコな物語。「預言者」のフランス人俳優タハール・ラヒムがマチューを演じています。

劇中は常に「冷静と情熱のあいだ」のようなダメオーラが漂います。この二人をわざわざ恋愛させる意味があるのか、という無理矢理な筋書きと、現実離れした生活感のなさに「こんな奴いねえよ」と言いたくなるキャラクター設定がお粗末です。冒頭でいきなり主人公の「花」はフランス人の元彼に道端で未練タラタラのトークを繰り返し、人目もはばからずに恥ずかしいことを言い、泣きわめき、それでも男に振られて泣く泣く傷心のまま帰っていきます。その帰り道に工事現場で働いていたマチューとぶつかり、謝りにきたついでにナンパをしかけてきた彼とその足でデートに行きます。この下りがすでにぶっ飛んでいます。どんだけ切り替え早いんだよ、と。そこはラテン系なのかと。挙句の果てに二人はその日のうちに野外でやってしまうんですが、そのやり方がレイプそのものでマチューはイキ果てると、呆然となっている花を残してその場を去ってしまいそうになります。罪悪感を感じたのかマチューは花を慰めるように一緒にアパートまでいきます。そこでさらにもう一戦交え、二人はそのまま恋人になるのです。

物語を追っていくと、花は男に手を出されると誰とでもやっちゃう女であることが分かります。フランス人だろうと中国人だろうと関係ありません。攻めてこられたらめったに断らないのです。ノーディフェンスです。でも本当に愛しているのはマチューという感じで、二人の関係はますます熱くなる一方です。そもそも一番理解に苦しむのが二人がなぜ熱くなるのかなんです。セックスの愛称が最高にいいという以外理由が見当たらず、文化も、人種も、そしてなにより絶対的な社会階級の差があるため、ほとんど共通点もないのです。花は大学に通い通訳を目指すインテリ層なのに対し、マチューは工事現場で働き、小遣い稼ぎのためにインテリアを盗んで売る、というどうしようもない男でした。

マチューはチャライ友人に花を誘惑してもらい、彼女が軽い女かどうかをテストしたりもします。めったに断らない花もさすがにこのチャラ男だけは生理的に受け付けなかったようでその場を逃げるように立ち去ろうとしますが、結局レイプのようになってしまう。この時点で警察を呼ぶか、マチューとは二度と口をきかないかのどっちかしか選択はないはずなのに、あろうことか二人は口論を繰り返した末にあっさり仲直りします。そのときマチューは「別れるならおれはここから飛び降りる」といったり、「じゃあ今からナイフでお互いの指を切って血を出して二人の血を混ぜようぜ。そしたら俺たちは一心同体だ」などといった寸劇を始めます。フランスの男がですよ。フランスが舞台なのに世界感は三国志かよって。

許せるシーンはセックスシーンぐらいでした。あそこだけはちゃんと頑張っていました。フランス人の男と中国人の女がセックスするところを見れば最高の気持ちになれる、という人だけが見たらいい映画です。

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