2014/01/07

少女は自転車にのって(原題: WADJDA)

Wadjda

36点(100点満点)

ストーリー

サウジアラビアに暮らす10歳の少女ワジダ(ワード・モハメド)は、男友達と自転車競走をするため自転車を買うことを決意。母親(リーム・アブダラ)にねだるも女の子が自転車に乗ることに反対され、自分で費用を工面しようとするが目標額には遠く及ばない。そんな折、学校でコーラン暗唱大会が開催されることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと懸命にコーラン暗唱に励む。

シネマトゥディより

文句
ベネチア国際映画祭で話題になったらしいサウジアラビア映画。芸術路線を行くかと思いきや、メリハリがなく、ただ静かに物語が進んではすっと終わっていくだけの線香花火映画。

静かな映画はいいんですが、静かすぎてサイレントムービーかと思いました。眠いにもほどがあります。音楽もほとんど使わず、セリフも短く、視聴者をひきつけるシカケが少なすぎます。アラブ文化を知らない人が見て、「へえサウジアラビアではそうなんだぁー」と言って終わりの映画で、唯一の見所はアラブの学校文化が覗けるところです。女子生徒は「男性が視界に入るところにいてはいけない」だとか「男性に喋り声を聞かれてはいけない」だとか、アメリカ人を始め、西洋人が見たら「嫌だなあこんな厳しい国」と優越感に浸って大喜びしそうなエピソードを集めているのがおそらく映画祭で受けた理由でしょう。

主人公の少女ワジダはお転婆で大人の男性と口喧嘩をしたり、自分でブレスレットを作って売ったり、誰かの手伝いをしたりしてなんとか自転車を買うための資金をためようとします。度胸もあり、威勢のいい少女ワジダのキャラクターはそこそこ面白いです。しかし 彼女を演じた少女の演技が見るからに大人たちから「やらされてる」感があってつらかったです。あの子は実生活ではまずあんなにお転婆じゃないだろう、というのがモロに出ていたので興醒めしました。早い話演技が下手なのです。

ワジダがサウジアラビアの社会ではマナー違反とされる自転車を乗ることにこだわるのも解せませんでした。10歳の賢い少女にあれだけ厳しい規律の中で、大人たちの圧力を受けながらも、果たして自転車に乗ることを強く主張できるのか。あれはまさに大人の女性、あるいは男性たちが、女性の権利を主張するために、子供のキャラクターに気持ちを託しただけなのです。最近でもサウジアラビアの女性がタブーに反発して車を運転している動画がユーチューブにアップされ、話題を呼びましたね。自分発信で、自分の考えの下でリスクを背負って主張するならまだいいんですが、子供を利用するなよ、子供を。パンダを使って外交を有利にしようとする中国の戦略と同じですね。どうせなら「少女はパンダに乗って」というタイトルにしたらいいです。

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