ルノワール陽だまりの裸婦の感想とネタバレ 

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renoir

ジル・ブルドス監督による、フランス芸術界の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワールを描いている、と見せかけて、実は息子と裸婦像のモデル、アンドレのことを描いている変化球映画。41点(100点満点)

ルノワールのあらすじ

1915年、コートダジュールにある大画家ルノワール(ミシェル・ブーケ)の邸宅に、絵画モデル志望のアンドレ(クリスタ・テレ)がやって来る。老いた芸術家は、先日亡くなった妻に頼まれてここに来たという彼女を喜んで迎え入れる。アンドレは翌朝から裸婦像のモデルとして働き始めるが、ルノワールは持病の リウマチ性関節炎に悩まされており……。

シネマトゥディより

ルノワールの感想

ルノワールのことが知りたくて見たら、デッドボールを食らうので心のヘルメットの着用が望ましい作品です。

リウマチに苦しみ、ひぃーひぃー言いながら絵を描くルノワールよりも、元気溌剌でブイブイ言わせていた若かりし頃のルノワールが見たかったです。

青年時代からのストーリーを追っていき、段々と歳を重ね晩年に到達するならいいんですが、人生を達観しきった老年期だけを2時間も見せられても刺激に欠けます。

劇中、女たちはルノワールの前で当たり前のように服を脱いで、モデルになってみせます。あれもルノワールがおじいちゃんだから女たちもそれほど羞恥心を感じていないような印象があって面白くなかったです。

ルノワールがもっと若かった頃なら、モデルと画家との間になにかしらの緊張感があったのではないかと想像し、そんなシーンに遭遇できなかったことが残念でなりません。

ルノワールの絵に裸の女性の絵画が多いことからしても、彼がなかなかの「脱がし屋」だったことが分かります。映画監督、写真家などに並んで画家もまた芸術の名の下に女の服をひっぺがしても許されてしまう数少ない職業ですね。

もっというと、対象物であるモデルに作業中に手を出そうが、作品の出来がよければ「こら、仕事中になにやってるんだ」とはならず、「エロスが感じられてすばらしい」などと称賛されてしまう世界です。

そんなすばらしい世界をルノワールを通じて見れたらよかったんですが、実際に見れたのはリウマチの痛みと戦争の苦しみぐらいで、原題の「RENOIR」も邦題の「陽だまりの裸婦」も内容に名前負けしていました。

巨匠というからにはやはりどうしても伝説的なエピソードを期待してしまいます。「俺もよぉ、昔は若かったからよぉ、街中の女たちを裸婦にして相当ラフなことしてやったぜい」とかちょっとした武勇伝でもよかったんですけどねえ。ルノワールの人柄がうっすらでも分かる手がかりが欲しかったけど見当たりませんでした。

もう亡くなりましたが一昔前ブラジルで大成功した、ある日本人画家がいました。彼を知る人から話を聞くと、とにかくスケールの大きい人だったといいます。

ルノワールじゃないけど、豪邸に住み、家には何人ものメイドがいました。ニューヨークの大富豪が彼のファンで彼が描く絵をごっそり買い揃えていたようです。

奥さんや子供はもちろん親戚家族が一堂に集まるクリスマスパーティーに平気で愛人を連れていったりするハチャメチャな一面もありました。

しかしどんなに外で女遊びをしようと、家に帰るとちゃんと奥さんを女性として大事にし、抱いていたそうです。たとえ奥さんが50歳を過ぎても、60歳を過ぎても。

また、友人がお金に困っていることを聞きつけると、ふらっとその人の家に現れ、「近頃、お金を使いたくてしょうがないだよ」などといって大金を置いて帰るそうです。

経営が上手くいっていない友達のレストランやバーにも足しげく通い、豪遊してお金を落としていったりする。なによりすごいのは奥さんや息子を始め、その画家を知る人みんなが口を揃えて同じことを言うことです。

「あの人はすごかったよ」と。

ルノワールぐらいの芸術家だったら、そんなエピソードのひとつやふたつ持っていてもおかしくないんですけどね。

コメント

  1. mamarin より:

    偶然ですが10日にプーシキン美術館展(フランス絵画300年)を横浜まで観にいきました。目玉の作品は一応ルノワールの婦人画でした。美術館が宣伝していたんですね。ジャンヌ・サマリー婦人の肖像画です。

    その他にもマチスや色々有名どころが揃えてありました。ルノワールの絵って遊んでるところが多いですね。踊ってたり、水遊びをしていたり、食事をしながら話していたり。
    いかにもあの時代と言う感じがして好まれるのかもしれません。
    しかしその日本人画家は誰なんだろう?気になります。
    ついでに日本の歌手の故淡谷のり子氏も絵のモデルをして画家と肉体関係を結んだと言っています。

    • 映画男 より:

      mamarinさん
      コメントありがとうございます。淡谷のり子にもそんな色っぽい時代があったんですね。ここで述べた日本人画家の名前は彼の名誉のためにも控えさせてください。