プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 (原題 THE PLACE BEYOND THE PINES)

The-Place-Beyond-the-Pines6

主人公が約30分ごとにバトンタッチしていく変わった群像劇で、終盤に微妙に”主人公リレー”が一周する新感覚の映画。俳優たちの演技、予測不能なストーリー、急激に変化する話の流れにちょっとびっくりさせられました。68点(100点満点)

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズのあらすじ

天才ライダーのルーク(ライアン・ゴズリング)は移動遊園地でバイクショーを行う刹那的な日々を送っていたある日、元恋人ロミーナ(エヴァ・メンデス)と再会。彼女がルークとの子どもを内緒で生んでいたことを知ると、二人の生活のためにバイクテクニックを生かして銀行強盗をするようになる。ある日銀行を襲撃したルークは逃走する際、昇進を目指す野心的な新米警官エイヴリー(ブラッドリー・クーパー)に追い込まれるが……

シネマトゥディより

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズの感想

光をくれた人」、「ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督による人間ドラマ。ライアン・ゴズリングの独り舞台なのかと思っていたので、いい意味で期待を裏切られました。

ジャッキー・コーガン」の名脇役ベン・メンデルソーン、高校生のジェイソンを演じたデイン・デハーンなど上手いなあ、と思わせる演技の数々が見所です。特にデイン・デハーンはどこか若き日のレオナルド・ディカプリオを彷彿させるオーラがありました。

ストーリーをよくよく振り返ってみると、まともな人間1人に対しダメ人間が10人ぐらい出てくる内容でした。

ライアン・ゴズリング扮するルークは自分に息子がいると知ってからというもの急に父親面し出す暴走男で、ロミーナや息子ジェイソンへの愛情が全く感じられず、ただ父親になったことで変な使命感と責任感を持ち出す、うざい男でした。

またルークの子供を生んで育てたロミーナはロミーナで、ルークと寄りを戻したそうな、したくなさそうな中途半端な立場でルークに近づき、そうかと思えば自分の母親も含めて今の彼氏コフィの家に同居させてもらっているというふざけた女でした。もともとのトラブルのきっかけは全てこの馬鹿女にあります。

また、レイ・リオッタ演じる汚職警官デルーカは警官仲間たちとロミーナの家に捜査令状もなしに家宅捜査に入り、金を強奪しますが、あのシーンは特に嫌悪感が残るシーンでした。

というのも僕の住むブラジルで知り合いが心臓麻痺で自宅で亡くなった奥さんの件で警察から家宅捜査を受け、家の中の金目の物を全て警察に持っていかれたことがあるからです。市民を守るための警察が悪だとしたら市民は誰に助けを求めたらいいのでしょうか。

この映画の登場人物の中で数少ないまともな人間はロミーナの彼氏で黒人男性のコフィ(マハーシャラルハズバズ・アリ)です。コフィは自分の子供でもないジェイソンを我が子として育て、ロミーナが浮気をして、自分の家にルークが押しかけてきても、大人の対応をしていました。

コフィのジェイソンに対する接し方も自然で、「本当のお前の父はオレだ」などとダースベイダーの物真似をしながら、ジェイソンの生い立ちについて話してあげたりする心の優しい男です。

あんなにできた男ならわざわざロミーナみたいな馬鹿と付き合わなければいいのに、と思うんですが、まともな人間に限ってトラブルメーカーの異性に惹かれたりするので、そこはなんとも言えませんね。

群像劇というと、今までは複数の登場人物が同時進行的に進むのが主流でした。それがこの映画は次々と主人公、つまり物語りを動かしていく中心人物が移っていき、オムニバス映画のような、それでいて最後には薄っすらと全ての話がつながるような新しい試みがされていました。見ていて「なんなんだこれは」という困惑があったのも事実です。

また、ラストはなんかキレイにまとめちゃった感があって嫌でした。序盤からずっと負の連鎖を描いてきたんだから、最後までマイナスに、ジメッと、それこそ嫌悪感の残るような締めくくりにしてもらいたかったです。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
60点台の映画ハリウッド映画
映画批評ブログ、ただ文句が言いたくて | レビュー|ランキング

コメント