シチリアーノ裏切りの美学は裁判シーンがコント!感想とネタバレ

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壮絶なシチリアンマフィアの抗争と、マフィアたちを一斉検挙した前代未聞の裁判を描いた実録ドラマ。面白い雰囲気はあるのに途中でダレるのが悔やまれる作品です。58点

シチリアーノ裏切りの美学のあらすじ

映画『シチリアーノ 裏切りの美学』予告編

1980年初期、イタリアのシチリア諸島は世界の麻薬取引の中心だった。そこではパレルモ派とコルレオーネ派による二大勢力によって激しい抗争が行われていた。

両者は同じパーティーに出席し、一見平和的に振舞っていたが、それはあくまでも表向きのことだった。

コーザ・ノストラのボスの一人ドン・マジーノことトンマーゾ・ブシェッタは危険を察知するかのようにイタリアを離れ、妻とブラジルに渡っていた。

ところがその間にトンマーゾ・ブシェッタの二人の息子と兄が殺される事件が起こった。もちろんコルレオーネ派の仕業だった。コルレオーネ派はその後も容赦なくパレルモ派のメンバーやその家族を殺していった。

一方、ブラジルでトンマーゾ・ブシェッタは麻薬の密輸でブラジル警察に逮捕され、壮絶な拷問を受ける。それでも彼は決して口を割ろうとはしなかった。

結果、トンマーゾ・ブシェッタはイタリアに強制送還されることになった。トンマーゾ・ブシェッタは途中で自殺を図ったが、それも未遂に終わった。

あえなくイタリアに送還されたトンマーゾ・ブシェッタは裁判官のジョヴァンニ・ファルコーネに出会う。ジョヴァンニ・ファルコーネはマフィア撲滅を目標に掲げており、トンマーゾ・ブシェッタに情報提供を呼び掛けた。

最初は何も話さないつもりだったトンマーゾ・ブシェッタだったが、ジョヴァンニ・ファルコーネと話しているうちに考えを改め、掟や義理人情のなくなったマフィアに愛想をつかし、全てを話すことに決める。

シチリアーノ裏切りの美学のキャスト

  • ピエル・フランチェスコ・ファビーノ
  • マリア・フェルナンダ・カンディド
  • ファブリツィオ・フェラカーネ
  • ルイジ・ロ・カーショ
  • ファウスト・ルッソ・アレシ

シチリアーノ裏切りの美学の感想と評価

マルコ・ベロッキオ監督による、実在したマフィアたちの抗争と逮捕劇を描いた犯罪ドラマ。暗殺シーンは迫力があるものの、2時間半を越える長さのせいで、途中かなり失速し、面白さを失っていく残念なマフィア映画です。

物語は主人公のトンマーゾ・ブシェッタがブラジル人妻とブラジルに戻ったタイミングで、イタリアに残してきたファミリーが次々とライバル組織に殺されていくところから本題に入ります。

ライバル組織のコルレオーネシは容赦情けなく銃をぶっ放し、トンマーゾ・ブシェッタの息子二人と兄をはじめ、多くの家族メンバーを殺します。

そのことをブラジルで伝え聞いたトンマーゾ・ブシェッタは大きなショックを受けますが、同じタイミングでブラジルの警察から麻薬取引の容疑で逮捕されてしまいます。

そしてイタリアに強制送還され、マフィアの沈黙の掟を破って、あらゆる情報を裁判官に話し、一躍、マフィア界の最大の裏切り者となる、というのがあらすじです。

見所は数々のバイオレンスシーンでイタリアンマフィアの殺害方法やブラジル警察の拷問の場面でしょう。しかしそれらは全て予告動画で見せてしまっていて、それ以上のものがなかったです。

それにしても当時のブラジル警察の拷問はえげつないですね。殴る蹴るは当たり前で、トンマーゾ・ブシェッタをヘリコプターに乗せて、もう一つのヘリコプターには娘を乗せて、娘を海に突き落とそうとして自白を迫る、というやり方はどっちがマフィアだか分かりませんね。

さすがにあれはフィクションだと思うけど、当時のブラジル警察だったらやりかねないから、なんともいえないですね。

また、イタリアンマフィアが裁判官の乗った車ごと爆弾で吹っ飛ばすシーンのインパクトも強烈でした。

ああいった一連のバイオレンスシーンをもっとテンポよく見せていればかなり面白くなっていたことでしょう。しかしそれを中盤の裁判シーンが台無しにしてしまいます。

なぜか被告人同士が好き勝手にディスカッションするような真剣味のない裁判として描いていて、マフィアたちが服を脱いだり、トランプで遊びだしたり、たばこを吸い出したり、といったやりたい放題の様子ばかりが強調されていました。

マフィアたちが口を揃えて、告発者のトンマーゾ・ブシェッタを知らないという下りなんかはただのイタリアンコントじゃないですか。

ちなみに実際のマフィア大裁判の様子はこんな感じだったようです。

 

Documentario sul Maxi Processo a Cosa Nostra

もちろんマフィア大裁判が大イベントだったことには違いないし、トンマーゾ・ブシェッタの半生を描くうえではカットできない部分でしょう。

しかしそれにしても時間を使い過ぎだし、あえて取り上げた裁判中の出来事の多くが事件や判決を左右するような会話やエピソードとはいえなかったです。なんならさっさと判決を読み上げてくれればよかったのに。

裁判が一旦終わり、トンマーゾ・ブシェッタがアメリカに移住すると、多くのマフィアたちを刑務所送りにした裁判官が報復を受けるのに対し、トンマーゾ・ブシェッタのライバル組織のボス、サルヴァトーレ・リイナが逮捕されるなど、また話が大きく動きます。

ただ、サルヴァトーレ・リイナについてはラスボスにも関わらず、終始物語上の扱いが小さいまま終わっていったのがもったいないし、どうせならパレルモ派の報復のシーンがあってもよかったですよね。片方がやられたままのわけがないんだし。

そういう意味では長い尺を使った割には無駄が多く、同時に足りない部分も少なくなかったです。早い話全体のバランスが悪かったですね。

題材といい、スケールといい、ポテンシャルは映画史上に残るマフィア映画にもなり得たはずなのに残念ながらそこまでじゃなかったです。

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