2019年の映画を振り返ると、例年と比べなかなか良作に恵まれた一年だったと思います。そこで今年だけでも200本以上の映画を見た僕が2019年に公開されたおすすめ作品をランキングにして紹介します。


10、2人のローマ教皇
ネットフリックスで配信されている、現ローマ教皇フランシスコと前ローマ教皇ベネディクト16世のハートフルな対話を映画化した宗教映画。
一見、堅苦しい話のようで、カジュアルな会話が中心となっていて、二人のローマ教皇の性格、人柄が見えてくるストーリーになっていて、カトリック教会に興味を持つきっかけになりそうな映画ですね。
9、ホテル・ムンバイ
インドのムンバイで実際に起こった、ホテル立てこもりテロ事件を基にしたハラハラドキドキのノンフィクションスリラー。俳優たちの好演のおかげで最初から最後まで画面に釘付けになり、心臓がバクバクしっぱなしになる作品です。ホラーとはまた違った怖さを味わうには最高の映画です。
8、マリッジストーリー
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライヴァーが別れの危機に直面した夫婦を演じる大人の離婚ドラマ。
演技、会話中心の物語で、二人の感情をぶつけ合う口論のシーンには思わず心を動かされるはずです。
特にスカーレット・ヨハンソンがいい仕事をしています。
7、ワイルドライフ
夫婦関係が崩れていく様子を息子の目線で描いた、せつなくて、悲しい家族ドラマ。思春期の少年が両親の争いに巻き込まれ、気を使いながら生活していく姿に泣けてきます。演技、脚本ともに素晴らしく、華やかさや派手さはないものの、満足度の高い上質な映画です。
6、残された者・北の極地
北極圏で遭難した一人の男が、少ない食べ物と道具でなんとか生き延びようとする姿をつづったサバイバル劇。
ほとんどマッツ・ミケルセンの一人演技によって成り立っている作品で、大自然の静けさと恐ろしさが伝わってくる見ごたえ十分のストーリーです。サバイバル系の映画が好きな人なら絶対楽しめる一本。
5、存在のない子供たち
レバノンを舞台に貧困家庭に生まれた少年が一人逞しく生きていく姿を描いたヘビーな物語。
家族に捨てられ、行く当てもない少年が不法移民の赤ん坊の面倒を見たり、決して人としての優しさを忘れずに、なんとか活路を見出していこうとする様子にジーンと来ました。
主人公の少年は実際スラム出身の男の子で、彼をはじめ、出演者の演技が自然すぎて、とてもフィクションとは思えないリアルな作りになっています。
4、ジョーカー
DCコミックの大人気ヴィランを主人公とした、これまでのアメコミ映画の常識を覆した傑作。
数々の謎や議論を生む演出とホアキン・フェニックスの怪演が光っていて、何度も見直したくなる映画です。
これを超えるアメコミ映画は今後そうそう出てこないでしょう。
3、愛がなんだ
世話好きでお節介な女子と、追いかけられるより追いかけたい男子による恋愛ドラマ。
笑えるシーンが多いだけでなく、演技も自然だし、心理描写が非常に優れていて、微妙な男女の関係を絶妙なテンポで描いている傑作です。邦画から唯一のランクイン。
2、フリーソロ
命綱を使わずにロッククライミングするのを信条としている男の危なすぎる命がけのドキュメンタリー。アカデミー賞ドキュメンタリー部門の受賞作品です。
手に汗握るとはこのことで、いつ死んでもおかしくない状況をずっと見せられて、こっちまで寿命が縮まった気がしました。こんなにドキドキする映画も珍しいです。
1、グリーンブック
黒人差別がひどかった時代に、差別主義者のイタリア系アメリカ人の用心棒が、黒人ピアニストを連れてアメリカ南部にツアーに出かけるロードムービー。名セリフ、名シーンが詰まっていて、笑いあり、感動あり、友情ありの心がほっかほっかに温まる話です。もしまだ見えていなかったら絶対に見てほしい作品です。
コメント
本題とは逸れますが、最近の日本の映画ファン界隈では『雑誌 映画秘宝の休刊』が話題になってますね。(部数低迷ではなく出版社の吸収合併による都合)
B級映画やエクスプロイテーション映画の愛好家向け、記事もジョークを交えて面白おかしく書く、
あたりが良くも悪くもネット上の映画ファンに影響を与えてると思います。