気味悪く、ぶっ飛んだドロドロムービー。出演者がみんな体当たりの演技をしていて見ていて爽快で、演出に手抜きがないのが嬉しいです。64点(100点満点)
恋の罪のあらすじ
ある大雨の日、ラブホテル街にぽつんと建っているアパートで女性の死体が発見される。その事件を追う刑事の和子(水野美紀)は、幸せな家庭を持ちながらも ずるずると愛人との関係を続けていた。彼女は捜査を進めるうちに、大学のエリート助教授美津子(冨樫真)や、売れっ子小説家の妻いずみ(神楽坂恵)の秘密 を知ることになる。
シネマトゥディより
恋の罪の感想
「ヒミズ」、「TOKYO TRIBE」、「冷たい熱帯魚」、「地獄でなぜ悪い」、「新宿スワン」などの園子温監督による色気むんむんでキモいサスペンスドラマ。水野美紀を含む主な出演女優がみんな体当たりの演技をしているところがさすがです。
「脱げないなら女優なんてやめてしまえ」と豪語している園子温監督は映画界にたまにいる「脱がし屋」の部類に入るでしょう。普段脱がないのに、この人の映画に出るとつい有名女優も脱いでしまう、というタイプの監督です。もちろん脱がし屋になるにはプロたちの中である程度の評価を受けていないと無理です。
海外でいえば、デビット・リンチが実は脱がし屋なんじゃないかと僕は思っています。そしてこういう監督は多くの場合、実は出演者の女優を片っぱしから手を出してるんじゃないのか、というような悪そうで非道徳的な風貌をしています。
実際園子温監督もこの映画でダイナマイトボディを惜しげもなく披露している女優で元グラビアアイドルの神楽坂恵と結婚しちゃってるし、やっぱりそうかあ、と思わせる悪いオヤジ・オーラを身にまとっていますね。
しかしながらこの映画で一番驚かされたのはほかでもない神楽坂恵の演技でした。グラビアアイドルをここまでの女優に育てたのはさすがとしか言いようがないです。
そんな園子温監督の大きな課題は、上映時間の長さです。彼の映画は2時間を超えるものが多く、鑑賞途中で度々集中力が切れてしまうのが難ですね。映画館に居たらお尻が痛くなるし、家にいたら食器を洗い始めるでしょう。
もちろん監督からしてみればひとつひとつのシーンに意味があり、カットできない理由があるのは分かります。
けれども視聴者からすればあるラインを超えるとただの疲れる映画でしかなくなってしまう。これが改善されて、よりスピーディーにより見やすく編集すれば興行的にもさらに飛躍しそうな予感がします。
また、今回の最大のミスは、アンジャッシュの児嶋を起用したことです。園子温監督がなぜあんな芸人を使ったのか。アンジャッシュの児島が水野美紀とキスしたらどう考えても笑いしか起きないでしょ。
コメント
園子温と言えば、「自殺サークル」と「愛のむきだし」ですが、管理人さんはご覧になったでしょうか?
初期の園子温らしい映画でしたよ。
丸刈りーたさん
「自殺サークル」も「愛のむきだし」も両方見ました。初期のあの頃の園子温はいいですよね。最近は残念ですが。