2016/03/12

うるう年の秘め事(原題 AÑO BISIESTO)

80点(100点満点)

ストーリー

4年に1度だけやってくる、うるう年の2月。メキシコシティのアパートに一人で暮らすラウラは、田舎の母親と電話で話したり、インターネットを利用して外の世界とつながりながら、淡々と暮らしていた。だが、夜になると彼女の生活は一変。激しい孤独感から、夜な夜な男たちを部屋に連れ込み、激しく身体を重ねるようになる。中でもアルトゥーロとの関係にラウラは夢中になる。そして、ラウラが忘れることのできない2月29日がやってくる…。

(ラテンビート映画祭オフィシャルサイトより)

文句
2010年カンヌ国際映画祭カメラドール受賞作&今年のラテンビート映画祭に出品された傑作。とても初監督とは思えないほど完成度の高い芸術作品で、マイケル・ロウ監督の次の作品が今すぐにでも見たくなるほどファンにさせられた。

登場人物は数えるほどで撮影場所はアパートの中のみ。そこで展開するストーリーを彩るのは無名の俳優たち。超低予算でこれだけのものを作り上げられるセンス、そして製作に込められた芸術家の執念を受け取りました。

時間帯でその都度さまざまな種類の空気が流れるのがまた不思議でした。滑稽で面白おかしいかと思えば、急に恐ろしくなったり、また次の瞬間にはどうにもならない悲しさに覆われたりもします。しかしラストの終わり方にしてもどこか安らぎを残しているところがただの暗い映画で終わらなかった一因だったと思います。

セックスシーンも見ごたえのある本気のものでした。メディアの作り上げたいわゆる”美人”ではなく、メキシコのどこにでもいる背の低い小太りの女性の性を淡々と描いていました。ハリウッド映画ではあそこまでリアルにできないだろうし、日本映画ではあそこまで制約抜きで演じられる女優がまずいないでしょう。特にラウラが男を手でしごいてあげるシーンが生々しくて良かったです。あのときラウラは男に一種の愛情を抱いていたとみなすのは思い違いでしょうか。女が男を手や口だけでイカせてあげようとする、その姿についついなにかしらの優しさや愛を感じてしまうのは、あれなんなんでしょうねえ。ただ性愛の度が過ぎて男はついに怖気づいてしまう。MがSを支配した瞬間、二人がただのセックスフレンドじゃなくなった瞬間だったともいえます。SMもああなると常に真剣勝負であることがよく分かりました。ああ、怖い。

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