【動画】希望の灯りはつまらないドイツ映画!感想とラストについて

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なんとなく芸術っぽく作った思わせぶりで何も起こらない物語。キャラ薄すぎ、エピソードなさすぎ、娯楽性低すぎのドイツ映画です。30点(100点満点)

希望の灯りのあらすじ

映画『希望の灯り』予告編

内気で引きこもりがちなクリスティアン(27歳) (フランツ・ロゴフスキ)は、ある騒動の後に建設現場での仕事をクビになり、在庫管理担当としてスーパーマーケットで働き始め、レジでの雑踏やフォークリフトなど、自分にとって全く未知の世界に放り込まれる。

そして彼はルディ(アンドレアス・レオポルト)、クラウス(職場で唯一ハンドパレットトラックの操縦を許可されている) (ミヒャエル・シュペヒト)、ユルゲン、飲料セクションのブルーノ(ペーター・クルト)と出会う。

ブルーノは、クリスティアンに仕事のいろはやフォークリフトの操縦の仕方を教え、クリスティアンにとって父親のような存在になる。通路で、クリスティアンはスイーツセクションの同僚のマリオン(39歳) (ザンドラ・ヒュラー)と出会い、彼女の謎めいた魅力に一瞬で惹かれる。コーヒーマシーンのある休憩所が彼らのおきまりの場所となり、二人は親密になっていくが..

公式サイトより

希望の灯りの感想と評価

トーマス・シュトゥーバー監督による、ドイツのスーパーマーケットで働く労働者にスポットライトを当てた極めて退屈な物語。クレメンス・マイヤーの短編小説「通路にて」の映画化です。

原作も原題も「通路にて」というタイトルなら、邦題もそれに従えばいいのになんで「希望の灯り」にしたのか理解に苦しみます。

特に希望も絶望も感じない、スーパーで働く人のただの日常がそこにあるだけで、何か起こりそうな気配だけで間を持たせようとしているのが嫌でした。

映像は綺麗だし、音楽は悪くないし、演技は自然です。前半は「おっ、これはもしかしたらいい線いくんじゃないの?」って思ったのに、いつになっても面白くならないまま終わっていきました。

主人公は、体にたくさんのタトゥーが入っている訳ありの青年クリスティアン。無口で内向的な彼はフォークリフトの使い方を覚えて黙々と働きます。

そんな彼は職場にいる同僚の女性マリオンに惹かれ、休憩時間などを利用して彼女と接触を図ります。

しかしマリオンは既婚者。クリスマスのパーティーでぐっと距離を縮めたものの、ある日突然マリオンは仕事に来なくなってしまう、、、というのがストーリーの流れです。

ざっくりいえば主人公がフォークリフトに乗る話で、やたらとフォークリフトのシーンに時間を費やします。それより人間を見せてよ、人間を。

クリスティアンを演じるのは「ハッピーエンド」、「ヴィクトリア」、「未来を乗り換えた男」などに出演しているフランツ・ロゴフスキなんだけど、キャラが「未来を乗り換えた男」のときと全く同じですね。あの無口キャラ腹立つんだよなぁ。

一方のヒロインは、「ありがとう、トニ・エルドマン」のザンドラ・ヒュラーで無表情のツンデレ女といった役柄でした。どちらもキャラが薄い。

予告動画では「1989年ベルリンの壁崩壊後、時代に置き去りにされた普通の人々」といったキャッチコピーが流れ、公式サイトにもやたらと「旧東ドイツのスーパーマーケット」といった表現がされているのが気になりました。

だって時代設定は普通に現代だし、ストーリーとドイツの東西統一とにどんな関係があるのかよく分からないんですよ。

あるとしたらかつてトラック運転手だった同僚がウジウジ昔を懐かしんでいる箇所ぐらいで、トラックが運転したいなら今からでも仕事探せよって話ですよね。時代に置き去りにされたっていえば、暗くて悲観的で不幸な雰囲気が正当化されると思ってるんですかね。

労働の様子をスローに淡々と描くんだったらせめてユーモアがないとまじできついですね。毎日同じことの繰り返しの日々。朝から晩まで機械のように働き、仕事が終わるとそれぞれの家に寝るためだけに帰っていく。

そんなルーティングの中にどんなドラマを作るかがカギなのにエピソードらしいエピソードがほとんどないんですよ。

唯一、ハプニングといえるのは、同僚が自殺する下りでしょうか。それにしたって自殺のシーンを見せるわけじゃないし、話として聞かされるだけだからインパクトが薄かったです。

社内恋愛にしても若い二人が何をするわけでもなく、休憩時間に話すだけって中学生かよ。いい歳した大人がなに冷凍庫の中で鼻と鼻を合わせて満足してるの? バカなの?いっそのことあんな奴らは冷凍庫でセックスでもして凍死したらいいのに。

ラストシーンがある意味最高でした。フォークリフトを上げ下げしたときに出る機械音を聞いて女が男に向かってこう言います。

「聞こえる? 海の音みたいでしょ?」

「本当だ、聞こえるよ」

聞こえねえよ。どんな耳してんだよ。フォークリフトの音を聞いてなにロマンチックになっちゃってんだよ。いいから早く冷凍庫行けって。

コメント

  1. 栗岡健治 より:

    公開が楽しみな映画2本
    Bunkamuraでの公開を楽しみにしている映画が2本ある。
    ①4月5日(金)に公開される『希望の灯り』と②5月17日(金)に公開される『僕たちは希望という名の列車に乗った』だ。
    どちらもドイツ映画だが、話題や作品の舞台は今は存在しない旧東ドイツだ。1990年にドイツ連邦共和国すなわち旧西ドイツに、領土を編入される形で消滅した国である。

    私は、1986年~1990年、ロンドンは、シティに勤務し、東欧に関わる融資業務を担当し、チェコスロヴァキア、ブルガリア、ハンガリー、東ドイツ等に通ったが、壁の崩壊、ドイツ統一ということで、旧東ドイツがもっとも印象深い。
    映画①
    統一後、旧東ドイツの人々は、“二流市民”の扱いを受けたり、欧州の経済牽引役の(西)ドイツ流の猛烈さに付いて行けず自信喪失をしたとも聞く。私がビジネスで会った人々はその後どんな生き方をしたのであろうか?
    それでも、今度の映画では、当然ではあるが、失った祖国を懐かしむ人もいるようだ。
    そして映画②
    旧東ドイツの暗部を描いたものだと思う。市民の密告が横行する警察国家だったということはよく知られている。ソ連の鼻息をうかがう忠実な同盟国で、他の東欧諸国の民主化の流れにあっても、ホーネッカー議長はこれを理解せず、むしろソ連ゴルバチョフが手を焼いていたくらいだ。

    私の東ドイツの思い出

    ①私は、東ドイツ、特に東ベルリンの匂いを思い起こすことがある。独特だった。匂いや食べた味などが、訪ねた場所や住んだ場所の記憶と強く結びつく例だと思う。あれは、トラバントという東ドイツの自動車の所為だろう。

    私はメカに弱いが、このトラバントは、エンジンオイルをガソリンに混合給油する方式であった。街に充満する排気ガスの匂いだ。

    ②当時、東ドイツには、ベルリン・シェーネフェルト空港があり(今もあり、拡張計画があるそうだ)ここから入国したが、西ベルリンを経由して入国したこともある。西のテーゲル空港からだ。タクシーを拾って行き先を告げた。チェックポイント・チャーリーという検問所があり、その手前で運転手に『俺はここまでだ。あとは歩いて行って検問所を通過してくれ』と言われ降ろされた。ここは、西側を、自由を目指し車に必死で隠れて通過できた者も出来なかった者もいたところだ。
    東西の格差が歴然と見て取れたし、東のショウウィンドウに買おうと思えるものが無かった。
    いまこの映画のように東ドイツ時代を懐かしむ人もいて、『昭和の暮らし展』みたいに、生活道具、雑貨やトラバントを展示するところが盛況らしい。
    私も無性に懐かしい。