風と砂の女は遊牧民と脱北者を描いた名作!感想とネタバレ

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チャン・リュル監督によるモンゴルを舞台にした人間ドラマ。遊牧民の生活がおとぎ話のようで素敵です。83点(100点満点)

風と砂の女のあらすじ

ハンガイは、モンゴルの大草原で暮らす農牧民。彼は草原が砂漠化していくのを食い止めようと、黙々と木を植える日々を送る。妻はそんな夫の考えにはついていけず、耳の病を患った娘を病院に連れて行くために都会に出て行ってしまう。

ハンガイは独りになっても木を植え続けることを決してやめない。そんなある日、北朝鮮から国境を渡って逃げてきた母子が彼のテントを訪ねる。最初は少し休んでいくだけのつもりだった母子だったが、その日からハンガイと不思議な共同生活を始める。

風と砂の女の感想

夢見心地なちょっといい映画。砂漠化していく草原で植林することを生きがいにしている男なんて、なんてかっこいいんだろう。周りになんていわれようと、自分の信念を決して曲げない頑固おやじの生き様を見させてもらいました。

ハンガイと北朝鮮人の母子は言葉も全く通じないのに、そんなことなど全く問題にせず、すんなり共同生活を始め、かといってお互いを理解しよう無理するわけでもなく、ただ黙々と自分の役割をこなしていく。それはまるで動物の群れのようで、すごく原始的だけど、しっかり家族になっていて、お互いを思いやっているのが分かって感動的でした。

この映画のすばらしい点は、生活をしっかり映しているところにあります。世界どこの国に行こうが、人間の生活なんて所詮、仕事して、飯を食って、セックスして、寝ること。

そういうひとつひとつの作業をバランス良く各シーンに振り分けているから、彼らの1週間なり1ヶ月なりをずっと目で追っているような錯覚に陥いります。

2時間の上映時間のうち1時間も1時間半も恋愛したり、車で追いかけっこしたりする映画とは違うんです。

好きなシーンはやっぱり、旅の途中で通りかかった女とハンガイとのセックスシーンですね。

女はまずハンガイにラブソングをアカペラで歌います。ハンガイはそれに応えるように女を馬に乗せて砂漠のど真ん中へと行きます。そして地面に布一枚敷いて全裸になって思い切りセックスするという映画史に残る壮大でロマンチックなセックスシーンでした。

モンゴルの農牧民や遊牧民の間では行きずりの男女がセックスしたりするのは普通にあるんでしょうかね?

この映画では、男女共にとても自然に、潔く、かっこつけずに、そんなの当たり前だよといわんばかりにやっていました。

そして別れるときは握手だけして、あっさり去っていくっていうね。ある意味すごくドライですね。

思うに人間社会においては文明の発展した国ほど、セックスを大げさに考えているのではないでしょうか。

むしろモンゴルの遊牧民や南米のインディオなんかのほうがセックスに対する考え方が進んでいて、生活するうえで当たり前の行為と捉えているような気がしてなりません。そうか、だったらオレは間違った国に生まれてきてしまったなあと、この映画を見ていると、そんなところにまで考えが及びました。

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