2012/10/23

グラン・トリノ(原題 Gran Torino)


13点(100点満点)

ストーリー
妻を亡くしたウォルトは息子たちとも仲が悪く、一人退屈な毎日を送っていた。怒りっぽく、偏屈な彼は友達もほとんどおらず、近所との付き合いもない。隣人はアジア系少数民族の移民家族で、ときおりギャングが彼らに嫌がらせをしにくる。そんな光景を黙って見ていられなくなったウォルトは銃を抜いてギャングを追っ払ってしまう。このことがきっかけでウォルトと家族の心温まる交流が始まる。

文句
クリント・イーストウッド監督による超B級映画。白人の老人とアジア系青年の交流を描いたストーリーはベストキッドの逆バージョンといった感じで、老人がアドバイスを送り、青年が何かを学んでいくというありきたりな展開がさむい。悪役と善人役がはっきりしすぎている。テーマのひとつがこれまた人種差別なのだが、差別の描き方がステレオタイプで漫画的。なによりイーストウッド扮するウォルトがとにかくカッコいい男で、老人なのにケンカが強く、度胸があって、なぜか若い女にもモテるという設定が一番恥ずかしい。

この映画の主役は完全にクリント・イーストウッドが持つ自分に対するイメージですね。強くてタフで他の人種にも優しい老人。馬鹿丸出しもいいところです。きっと彼にはアジア系の親友もいないのでしょう。アメリカ映画が見せるアジア系家族は必ず伝統を重んじる閉鎖的な集団とされているのはなぜなんでしょうか? 若くしてスターになり、ずっと特権階級の中で生きてきたイーストウッドに所詮人種差別など描けるわけがないのです。