動画配信サービス完全ガイド

VODの歩き方

詳細はこちら

誰のせいでもない (原題EVERY THING WILL BE FINE)

この記事は 約3 分で読めます。

every-thing-will-be-fine

ヴィム・ヴェンダース監督による、オチ知らずの人間ドラマ。サスペンスやスリラーを装いつつ、そのどっちでもないという残念な結果が待っている不発映画。38点(100点満点)

誰のせいでもないのあらすじ

スランプ中の作家トーマス(ジェームズ・フランコ)は、恋人サラ(レイチェル・マクアダムス)とカナダのモントリオール郊外で暮らしている。大雪が降る中、車を運転していたトーマスが突然車の前に飛び出して来た何かにびっくりして急ブレーキをかけたところ、一人の少年がぼんやり座っていた。彼は少年の無事を確かめて家まで送るが……。

シネマトゥディより

誰のせいでもないの感想

アメリカ、家族のいる風景」、「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」などでお馴染みのヴィム・ヴェンダース監督の作品です。ほぼ駄作しか作らないのに、やたらと世界中で評価されている監督の一人です。

本作もまた、どちらかといえば駄作の部類に入るでしょう。雰囲気や演出は視聴者を惹き付けるものがって、次に何が起こるのかは予想ができません。それなのに何が起こるんだろう、どうなるんだろう、と期待しつつ見ていたら、いつの間にか話が終わってしまう残念な映画です。

確かに欧州の映画なんかは、そういう映画も少なくないんです。別にラストにサプライズがなくても、それまでの過程が面白かったらそれでいいんです。

一方で物語の見所が全てラストに集約されているような演出をしているくせに、ラストになにもないというのはひどいですね。それがこの映画です。

ストーリーは、ある日小説家のトーマスが大雪の中、自動車で子供をひき殺してしまうところからスタートします。事故後、彼は精神不安定になり、スランプに陥り、自殺を図ったりと、心身ともにボロボロになります。

私生活では長年付き合ってきた恋人と上手く行かず、本業の小説もなかなか書けずにいる彼は、時間をかけてトラウマを克服しようとします。それから長い年月が経ち、恋人と別れ、別の女性と同棲を始めたトーマスに、突然交通事故の被害者の兄弟から手紙が届く、というのがあらすじです。

被害者の兄弟や家族がトーマスに復讐を図るホラー仕立てにしていたら、ベタではあるもののまだましな内容になっていたでしょう。ところが実際は、トーマスと被害者家族が中途半端な交流を始めてしまい、「つらいけど一緒にトラウマを乗り越えようね」みたいな話になっていました。

交通事故の加害者と被害者が手を取り合って頑張ろうよ、なんていうヒューマンドラマが実際の世の中で起こりますかね? 自分の息子をひき殺され、加害者が家を訪問しにきたら、まず問答無用で殴るか、そうじゃなくても敵意をむきだしにしませんか?

でもヴィム・ヴェンダース監督はヒューマンだからか、そんな怒りのこもったストーリーにはせず、被害者が加害者の気持ちを察して聖書を渡すほど甘くて優しい人間物語に仕上げます。

そして結局は「大丈夫だよ。誰も怒ってないからね。だって仕方がないことだもんね。全て上手くいくからね」といったニュアンスで物語は幕を閉じていきます。本題の「EVERY THING WILL BE FINE」はそういう意味なのでしょう。全然大丈夫じゃないけどね、人が死んでるんだから。

コメント

  1. 読者 より:

    週刊現代でパッチギの監督の井筒和幸が「誰のせいでもない」を大絶賛していましたね。

    井筒和幸が絶賛した映画と言えば、「海賊じいちゃんからの贈り物」と言う映画がありましたが、ご覧になりましたか?

    もし、ご覧になったら、感想をお寄せ下さいませ。

    • 映画男 映画男 より:

      読者さん

      機会がありましたら、「海賊じいちゃんからの贈り物」見てみますね。ありがとうございます。

  2. ゆう より:

    まさかのラストシーン

    私にとってはむしろ大どんでん返し
    傑作だと思います