2016/10/07

官能の迷宮(原題L’HISTOIRE DE RICHARD O.)

l-histoire

エロくて不可解な典型的な芸術路線フランス映画。本番ありのセックスシーンは見ごたえ十分だけれど、それ以外は退屈で、ストーリーに意味を求める人は絶対に見てはいけない作品です。41点(100点満点)

あらすじ

8月のパリ。恋人がいるにも関わらず、日々、女に対する妄執にさいなまれているリチャードは、いつも行動を共にしている友人・ルグランから、パリの街でスカウトした女性たちの赤裸々な性体験談を収めたビデオを見せられる。次第にそれだけでは自分の中に沸き起こる激しい欲情を抑えることができなくなり、様々な女性と様々な体験を通して、濃密なエロティシズムの迷宮へと足を踏み入れてゆく…。

シネマトゥディより

読者のみーさんのリクエストです。ありがとうございます。

文句

フランスのエロティックムービーです。数年前にエロい映画としてちょっと話題になりましたが、それほど世界各国では反響は得られなかったようです。主演はフランスの人気俳優マチュー・アマルリックですが、もし彼が出ていなかったから、おそらく日本には届いてなかったでしょう。それだけマニアックな映画と言ってもいいです。

物語は、日々、女についてああでもない、こうでもないと考えている主人公リチャードの欲望と葛藤を描いています。リチャードにとってセックスは、自分と関わる人とのコミュニケーションのツールのようなもので、女性と交わることで深い欲望と虚無感を埋めていこうとします。

リチャードは、友人を使って街行く女性たちをスカウトし、赤裸々に性生活のことをカメラの前で語らせ、気に入った女性がいればアポを取って会いに行く、といったフリーランスのAV監督のような生活をしながら、カーマ・スートラや東洋の春画に描かれたものを再現したりと、様々な形でセックスを探求していきます。

欲望を満たしてくれるはずのセックスはしかし悲しみを引き起こす側面も持ち、リチャードは昔の彼女とのセックスの最中には急に号泣しだりして、不安定な精神状態を覗かせます。あれは満たしても満たしても空っぽなままの彼の心理状態がそうさせるのか。欲情に迷い込んだ末、精神が破綻したのか、一体どんな状態だったのでしょうか。

前半から中盤にかけて、リチャードが女性たちのインタビュー動画を鑑賞してから、実際に女性たちに会ってセックスをする流れはエロくてそれなりに面白いです。ポルノは嫌いだけど、エロい映画が好きという人にはおすすめできます。

ストーリーは時系列に沿っておらず、いきなりオチから始まるぐらいなので、それほど期待しないほうがいいです。リチャードは結局、レイプ願望のある女のことをレイプしなかったばっかりに殺されてしまう、という悲劇なのか喜劇なのかも分からないような形で一生を終えます。残念な死に方ですが、欲望を追求している最中で死ねたという意味では、彼の本望だったのかもしれませんね。