2016/10/23

神様メール(原題LE TOUT NOUVEAU TESTAMENT)

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ベルギー発の可愛くて、ちょっと笑える、癒し系ファンタジードラマ。間抜けなエピソードと細かい笑いが心地よく、複数のエピソードがオムニバス映画のような形で構成されている気軽に見れる良作。66点(100点満点)

あらすじ

ベルギーのブリュッセル。とあるアパートに家族と共に生活している神は、慈悲深いという人々が抱いているイメージとは真逆の嫌な人物であった。自分の部屋に置かれたパソコンを駆使して世界を管理しているが、いたずらに災害や事故を起こしては楽しんでいた。そんな父親に怒りを覚える10歳の娘エア(ピリ・グロワーヌ)は、家出を考える。立ち入りを禁じられている父親の部屋に忍び込んだ彼女は、全人類それぞれの死期を知らせるメールを送信して家を飛び出してしまうが……。

シネマトゥディより


文句

CGの使い方などが「アメリ」を彷彿させる、いかにも女性に受けそうなファンタジックムービーです。可愛らしく、平和的なのでギクシャクしているカップルが見ても心が和むはずです。

神様はベルギーに住んでいて、それも意地悪なオッサンだったという設定の中、神様の娘目線で物語は進んでいきます。娘のエアは冷酷で頑固な父親のことが憎く、嫌がらせをしようと世界を操っている父のパソコンを勝手にいじくり、人々の死期をメールで知らせてしまいます。

家にいられなくなったエアは自分を助けてくれる6人の使徒を探す旅に出発し、それぞれに遺言を書かせることで全く新しい新約聖書を作る使命を遂行しようとするという話ですが、ストーリー自体にはそれほど深い意味はなく、ユーモア溢れる会話とエピソードを楽しむ作品です。

使徒として登場する人たちがそれぞれ個性的でどこか間抜けなのがいいです。片手を失くした美女、単調な生活しか送らなくなった中年男、ゴリラを愛した中年女性、自称殺し屋、セックス依存症の男、親に病気にさせられた少年、彼ら全員がもともとは幸の薄い人たちばかりで、エアとの出会いによって少しずつ幸せになっていく過程が面白いですね。エアの癒しパワーが半端ないです。

神様である父親のキャラも際立っていて、人間社会に出ると普通に人々から手荒い扱いを受けて散々な目に遭うという下りも笑えます。最後はなぜかウズベキスタンに強制送還させるという意味不明なオチが待っているんですが、「そんな馬鹿な!」という展開もなぜか許してあげられる雰囲気があります。

普通だとストーリーがここまで滅茶苦茶だとコメディーだろうと付き合いきれなくなってくるけれど、最後まであの架空のファンジー世界に付き合うことができたのがむしろ不思議でした。それぞれのシーンにちゃんと笑いとオチを用意している細かな演出が功を奏したに違いないです。

ヌードシーンやセックスシーンもあるけど、子供に見せても大丈夫なんじゃないかなあ。そんなふうに思わせてしまう、子供も大人も楽しめるファンタジー映画です。

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