サンバ(原題SAMBA)

sanba

セネガル人の不法滞在者がフランスで身分をコロコロ変えながら生き延びていく移民ドラマ。フランスの移民問題に恋愛のテイストを加えた、軽いノリの映画でリアリティーがそれほどない、まあまあな作品。44点(100点満点)

あらすじ

アフリカからフランスに来て10年になるサンバ(オマール・シー)は、料理人になるべく頑張っていた。ある日、ビザの更新に気が付かなかったことが原因で国外退去命令を受けて拘束されてしまう。サンバのためにやってきた移民協力ボランティアのアリス(シャルロット・ゲンズブール)は、以前燃え尽き症候群によって大企業を辞めたことがあったが、厳しい状況でも明るいサンバに興味を持ち……。

シネマトゥディより


文句

最強のふたり」のエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督による移民ドラマです。海外では移民をテーマにした映画が本当にたくさんありますね。このブログで紹介したものだけでも数えてみたらこんなにありました。

移民映画もある程度パターンが決まっています。タイプ的には人種差別映画に近く、社会的に差別を受けている移民がいて、また彼らを追い回す悪役と、彼らに手を差し伸べる天使役の両極端な例を挙げて、理解と同情と優しさを視聴者に訴えるのが大半です。

僕も長年不法滞在していたので分かるんですが、実際は不法移民に対して現地の警察や人々は手荒く扱うでもなく、また優しく助けるわけでもなく、無関心というのが普通です。捕まえるにしても面倒だし、助けるにしても厄介だからできれば深く関わりたくないというのが正直な気持ちなんでしょう。

だから映画の中で警察が凶悪犯でもない不法移民を必死に追いかけたり、赤の他人が必要以上に彼らの面倒をみたりするシーンに出くわすと、嘘っぽいなあと思ってしまいます。

この映画はざっくりいえば移民局と主人公サンバの追いかけっこでしたね。サンバは料理人を目指す陽気な男で、ひょんなことから拘束されてしまい、国外退去命令を受けてしまいます。

そんな彼を助けようと動いたのがNGOで働くアリスで、アリスは助けるどころか彼に恋してしまいます。サンバがトラブルに見舞われるたびにアリスは彼のことを守ろうとするものの、やがてサンバは取り返しの付かないことをしてしまう、というのがストーリーの流れです。

不法移民の分際であれだけやらかしてるサンバに対して、感情移入することはできませんでしたね。サンバの叔父さんが注意したように、もっと大人しくしておけよって話なんですよ。ただでさえ他所の国で不法に働かせてもらってるんだから。

また、アリスのようなバリバリのキャリアウーマンでやってきたフランス人の女がどんなに精神的に病んでいても、不法移民でその日暮らししているアフリカ人とまず付き合ったりしないです。あれはもう「美女と野獣」とか、「アラジン」とかそのレベルのおとぎ話です。全体的に移民映画にありがちな偽善的な演出がマイナスです。

アリス役を演じたのが「ニンフォマニアック」や「アンチクライスト」でお馴染みのシャルロット・ゲンズブールだったのが笑えました。

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すでにあまりにもエロいイメージが付きすぎてて、この人がスクリーンに出てきた瞬間に、ほかの登場人物とセックスしてしまうことが読めてしまうという事態になっています。シャルロット・ゲンズブールが男に手を出さないわけがないって感じの危険なオーラが出まくってるんですよね。

それはそれで女優としてはある意味不幸かもしれません。純情なイメージだけで売っている女優もつまらないですが、エロいだけのイメージもつらいものがあります。このイメージを覆すには劇中にサンバを殺すぐらいの衝撃が必要でした。それなのに最後まで湿った女の顔してましたね。あれじゃダメですよ。