2016/02/13

ディーブ(原題THEEB)

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少年ディーブの目線で死と隣り合わせの砂漠の旅を追ったロードムービーで、ヨルダンの砂漠地帯をラクダに乗って進んでいく芸術路線の作品。映像だけで十分な価値があります。55点(100点満点)


あらすじ

1916年、兄弟のフセインとディーブは巡礼者ガイドの一族として育ち、砂漠を放浪をするライフスタイルを送っていた。ある晩、キャンプ地に突然イギリス人の男性とアラブ人の男性が現れたことがきっかけで、フセインとディーブは彼らの旅に付き添うことに。しかしそれはかつてない過酷で危険な旅だった。

文句

アカデミー賞ノミネート」作品です。砂漠の幻想的な風景を楽しむ映画でストーリー性は薄く台詞も少なめです。それでもほとんど言葉を必要とせず、内容が理解ができてしまう物語は、どこか世界に通じるおとぎ話的です。

大昔の話ですが、そもそも舞台が現実からかけ離れた砂漠地帯だからかそれほど時代性を感じさせず、普通に楽しめました。スローで静かな映画を好む人にはおすすめできますね。

いわゆる砂漠の旅をテーマにしたロードムービーなんですが、途中からうまい具合にサバイバル映画に路線変更をしているのが予想外でよかったです。

イギリス人の男が持った木箱が物語の鍵になっていますが、伏線を引いたわりにはそれほどインパクトはありませんでした。後半、木箱との関連で政治および歴史的な背景を挿入してきますが、ストーリーの辻褄あわせを用意するタイプの映画でもないので、あの部分は特にいらなかったですね。

少年ディーブのそのときそのときでブレる心境の変化もよく分からなかったです。あの少年は特に気が強くて、銃の撃ち合いになっても決してビビらず、たくましくて尊敬に値したいんですが、賢いのかアホなのか最後までよく分かりませんでした。ラストは突然のブチ切れでしたね。

一方で演技は、それぞれが自然でとても良かったです。なんでもイギリス人以外はみんな演技未経験の素人俳優ばかりだそうで、キャストとして起用された人たちは実際の砂漠の遊牧民(ベドウィン)だそうです。その辺のこだわりが素敵ですね。

ただ、アラビア語が分かる人が見たら、ひどい台詞の言い回しをしている可能性はありますね。こんなの演技じゃねえよ、笑わせんじゃねえ、といったアラブ人の意見も聞いてみたいものです。