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山河ノスタルジアはせつなすぎて笑える!ネタバレと感想

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中国人の日常をせつなく、悲しく描いた人間ドラマでリアルな演技と美しい映像が見所の国際映画祭向けの作品。54点(100点満点)

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山河ノスタルジアのあらすじ

1999年、山西省汾陽の小学校で教師を務めるタオ(チャオ・タオ)は、炭鉱作業員リャンと実業家のジンシェン(チャン・イー)から求愛されていた。その後タオはジンシェンを結婚相手に選び、二人の間に男の子が生まれダオラーと名付けられる。2014年、離婚して汾陽で一人暮らしのタオは離れて生活しているダオラーと久々に顔を合わせるが、ジンシェンと一緒にオーストラリアに移り住むことを知らされ……。

シネマトゥディより

山河ノスタルジアの感想

長江哀歌(エレジー)」、「帰れない二人」、罪の手ざわり」などでお馴染みの中国を代表する芸術派映画監督ジャ・ジャンクーによる人間ドラマで過去、現在、未来のパートに分けられた愛と友情と家族の物語です。

物語は2000年を目前にした過去からスタートします。舞台は中国の山西省汾陽市という田舎町。そこで生活する炭鉱作業員の貧しい男と実業家の金持ちの男が一人の女性を巡ってドロドロの三角関係を繰り広げます。

結構ないいおっさん二人が、いいおばさんを取り合う「誰が見たいんだよ」的な醜い内容なんですが、これがどういうわけか面白かったです。

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結局、女は金持ちで粋がってる実業家を選ぶところなんかも中国社会を表しているようでよかったですね。あろうことか女が自分と彼との結婚式に、もう一人の男を招待するという鈍感にもほどがある暴挙に出たのには驚かされました。

元彼氏、元彼女を式に招待するのもデリカシーに欠けてどうかと思いますが、現役で求愛されている男を呼ぶというあの神経の図太さといったらないです。

ところが現在のパートに入ると、三人の状況が一転します。女は実業家と離婚し、子供は実業家が引き取り、女は一人寂しく暮らすことになります。一方で貧しい男の方は病に倒れ、病院代のために女を頼るのでした。あそこで女が無視するぐらいだったらもっとよかったんですが、ポンとお金を貸してあげたりなんかして”男気”見せましたね。あれで結婚式の招待事件はチャラになった感がありました。

そのままずっと三人の恋物語になるかと思いきや、途中から女と息子の家族物語に様変わりしていきます。あの辺の視点のブレがちょっと視聴者には付いていけない演出かもしれません。実業家に息子の親権を取られ、ほかの女性を「お母さん」と呼び、自分から完全に心が離れてしまった息子を見て女は強い喪失感に打ちひしがれます。

特にインターナショナルスクールに通っているとかで、息子が女のことを「お母さん」ではなく、「マミー」などと呼び出すシーンは絶妙でしたね。嫌ですねえ、久しぶりに会った自分の子供が急にアメリカナイズされてるって。

未来のパートは、その息子がオーストラリアに移住してしばらく経った後の2025年の話です。あのパートははっきりいっていらないです。ばっさりカットするべきでした。そこから会話が全て英語になり、ちょっとした未来のテクノロジーなんかを交えながら、中国人移民の故郷に対する哀愁や離れ離れになってしまった母親に対する息子の寂しさを描いています。

見所は息子と先生のひと時の恋でしょうか。母親不在で生きてきた息子だけに、年増の女に惹かれて、いきなりヘリコプターの中でキスしてしまうというとんだ空上のアクシデントが起こります。あれには意表をつかれました。

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そして衝撃のエンディングが熟女による雪の中のラストダンスです。振り付けも音楽もダサすぎて完璧でした。これで笑わない人はまずいないでしょう。

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せつなすぎるだろ、このシーン。ちなみにBGMはヴィレッジ・ピープルの「Go West」です。そういえば昔よくかかってましたね、この曲。

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